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トップ > 子育て・介護と仕事の両立支援情報ポータル  > 不妊治療と仕事の両立支援情報

 不妊治療と仕事の両立支援について(従業員向け)

 働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあると考えられますが、厚生労働省が行った調査によると、不妊治療と仕事との両立ができず11%の方が離職しています。

 不妊治療と仕事との両立を困難にしている要因としては、通院にかかる時間が読めないことや医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど仕事との日程調整の難しさ、精神面での負担の大きさ等が挙げられていますが、企業や働いている人たちも、そもそも不妊や不妊治療についての認識があまりないために、企業内の支援制度の導入や利用が進まないことも考えられます。

 厚生労働省では、労働者向けに不妊治療の内容や職場での配慮のポイントなどを紹介したハンドブックを作成していますので紹介します。

///// 以下は、厚生労働省が作成したサポートハンドブックの内容を抜粋し、従業員の方向けにWAMで一部修正を加えたものです。 /////

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(1) 不妊とは

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないことをいいます。公益社団法人日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

 (参考) 不妊治療、治療と仕事との両立の実態

アイコン約4.4組に1組の夫婦が不妊治療を受けている。

アイコン生殖補助医療(体外受精、顕微授精等)によって誕生する子どもは11.6人に1人となっている。

アイコン不妊の原因は、男女ともにあり、検査しても原因が分らないこともある。

アイコン不妊治療のための通院の頻度や身体への負担、治療期間は、個人の状況により異なる。

アイコン不妊治療経験者のうち11%の方が、仕事と両立できずに離職している。

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(2) 不妊治療を受けるタイミング

不妊治療については、年齢が若いうちに開始した方がよいとされており、1回当たりの妊娠・出産に至る確率は高い傾向があります。新卒で入社してから間もない社員が治療を受けたり、関心を持ったりしても決して早過ぎることはありません。

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(3) 不妊の原因

不妊の原因は、女性だけにあるわけではありません。WHO(世界保健機関)によれば約半数は男性に原因があるとされていますし、検査をしても原因がわからないこともあります。また、女性に原因がなくても、女性の体には不妊治療に伴う検査や投薬やストレスなどにより大きな負担がかかる場合があります。

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(4) 不妊治療の方法

男性も女性も、検査によって不妊の原因となる疾患があると分かった場合は、原因に応じて薬による治療や手術を行いますが、原因がはっきりしない場合も、妊娠を目指して治療を行うことがあります。

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(5) 不妊治療と平均治療期間

不妊治療の内容や期間等は、個々人によってまったく状況が異なります。また、治療を受ける施設によっても差がありますが、施設ごとにスケジュールは概ね決まっていることが多いといえます。平均的に不妊治療にどれくらいの期間がかかるかについては、一般不妊治療(半年から1年以内のイメージ)と生殖補助医療(最短で約3か月、一般的には6か月程度)とで大きく変わります。

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(6) 不妊治療のスケジュール

不妊治療に要する通院日数の目安は、おおむね次ページの表のとおりです。ただし、日数はあくまで目安であり、医師の判断、個人の状況、体調等により増減する可能性があります

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(参考) 不妊治療と保険適用

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(7) 不妊治療前後の注意点

不妊治療と仕事との両立について、治療のための時間確保のほか、治療の前に、健康上、治療上で特に配慮しなければならないことの一つに発熱があります。

治療の翌日なども、急な体調変化や通院の必要性など突発的な事象によって勤務への影響が出ることもあるので、不妊治療で利用可能な休暇制度、短時間勤務制度、テレワークなどの、社内で利用可能な両立支援制度の内容や申請方法等について、予め確認しておくとよいでしょう。不妊治療に応じた会社のサポートについては、人事労務のご担当者、産業医、産業保健スタッフなどの方に相談しましょう。

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(8) 不妊治療を受けながら仕事を続けるために

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不妊治療を受けながら仕事を続けるに当たり、これまで会社に貢献してきたということ、また今後も貢献していくことから、休暇制度等を利用することについて気兼ねする必要はありません。一方で、休暇等を取得する際には、上司、同僚等周囲が業務をサポートしてくれていることを念頭に置きながら、感謝する気持ちを伝えることも必要です。

 @ 自分の会社の制度をよく調べてみましょう

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不妊治療を受けながら仕事を続けるためには、自分が勤める会社に、どのような休暇制度・両立支援制度があるのか調べることが必要です。

会社によっては、不妊治療のために「不妊治療休暇・休職」のような制度や治療費の補助や融資を行うなどの制度を導入している場合があります。また、通院に必要な時間に合わせて休暇を取ることができるよう、既存の制度の年次有給休暇を時間単位・半日単位で取得できるようにしたり、不妊治療目的でも利用できるフレックスタイム制を導入して、出退勤時刻の調整ができるようにしている場合があります。

次のような制度が会社にあるかどうか、就業規則を調べたり、人事労務などの担当者に聞いてみるのがよいでしょう。

アイコン不妊治療に利用可能な休暇制度・休職制度(不妊治療に特定または多目的)

アイコン半日単位・時間単位の年次有給休暇制度

アイコン失効年次有給休暇の積立制度

アイコン所定外労働を制限する制度

アイコン時差出勤制度

アイコン短時間勤務制度

アイコンテレワーク

アイコンフレックスタイム制

相談内容をどこまでの部署や誰(上司、人事部、 人事課長・係長等)に共有してよいか、あらかじめ想定し、人事労務の担当者に相談することで、ご自身のプライバシーを守ることにつながります。

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 A 不妊治療連絡カードの活用

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「不妊治療連絡カード」は、不妊治療を受ける、または今後治療を予定している労働者が、企業に対し不妊治療中であることを伝えたり、企業の不妊治療と仕事との両立を支援するための制度等を利用する際に提出したりすることを目的として、厚生労働省が作成し、活用をお勧めしているものです。

企業や職場において、労働者が不妊治療と仕事との両立に関する理解と配慮を求めたり、企業や職場と労働者とのコミュニケーションを図るためのツールとして、また、不妊治療と仕事との両立支援制度を利用する際に主治医等が記載する証明書としてお役立てください。


◆ 不妊治療連絡カードの活用方法 ◆

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@労働者は、不妊治療のため主治医等を受診し、検査や治療を受けます。

A主治医等から、不妊治療の実施(予定)時期、治療を受けるために特に配慮が必要な事項、その他の事項を記入してもらいます。

B労働者は、不妊治療連絡カードを事業主に提出して、勤務する企業において導入されている休暇制度・両立支援制度の利用を申請します。

C企業は、不妊治療連絡カードの記入内容に基づき、働きながら不妊治療を受ける労働者への制度の利用を促すことや必要な対応を行います。
(企業は労働者のプライバシーの保護に十分配慮するとともに、不妊治療と仕事との両立について企業に相談したり、実際に社内制度を利用したりすることにより、不利益取扱いやハラスメントを受けることがないよう配慮)


◆ 不妊治療連絡カードの入手方法 ◆

不妊治療連絡カードは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。



 B お役立ちリンク

 
  • 両立支援のひろば

    厚生労働省
    両立支援のひろば
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    次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画や認定制度の概要、各企業の行動計画の内容や認定の状況等を確認することができるサイトです。

  • テレワーク総合ポータルサイト

    厚生労働省
    テレワーク総合ポータルサイト
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    テレワークに関する相談窓口、助成金など導入に当たって利用できる制度、テレワークに関連する資料などテレワークに関連する情報を一元化したポータルサイトです。

///// 上記は、厚生労働省が作成したサポートハンドブックの内容を抜粋し、従業員の方向けにWAMで一部修正を加えたものです。 /////

 不妊治療と仕事の両立について(事業者向け)

現在、さまざまな企業で、社員が不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりに取り組む動きが広がっています。こうした取り組みは、離職の防止や社員の安心感、モチベーション向上につながり、企業にとっても大きなメリットがあります。

逆に、不妊治療と仕事との両立ができず離職する社員が増えることは、労働力の減少、ノウハウや人的ネットワーク等の消失、新たな人材を採用する労力や費用の増加などのデメリットを企業にもたらします。

不妊治療と仕事との両立については、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針の改正や「くるみんプラス」認定制度、助成金の支給など、国の支援も進んでいます。

テレワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方も増えており、不妊治療の保険適用もスタートしています。企業は、社員が不妊治療を受けながら働き続けられる環境を整備し、全ての社員が働きやすい職場風土を作り上げることが求められています。

///// 以下は、厚生労働省が作成したマニュアルの内容を抜粋し、従業員の方向けにWAMで一部修正を加えたものです。 /////

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(1) 不妊治療と仕事との両立支援に取り組む意義

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近年、不妊治療を受ける者は増加しており、生殖補助医療による出生児の割合も増加しています。

しかしながら、企業の6割以上は不妊治療を行っている社員を把握しておらず、また、7割以上が不妊治療を行っている社員が受けられる支援制度等を導入していないという実態があります。そうした中で、不妊治療と仕事との両立について、両立しているとする者は約5割しかおらず、4人に1人が仕事や不妊治療を辞めたり、雇用形態を変えていました。

企業にとって、不妊治療と仕事との両立が困難なことにより離職する人材が増えることは、労働力の減少、ノウハウや人的ネットワーク等の消失、新たな人材を採用する労力や費用の増加などのデメリットをもたらします。

一方、社員が不妊治療をしながら働き続けやすい職場づくりを行うことは、安定した労働力の確保、社員の安心感やモチベーションの向上、新たな人材を引き付けることなどにつながり、企業にとっても大きなメリットがあると考えられます。

企業が社員の事情に応じてサポートする姿勢を示すことは、社員にとっても安心でき、仕事への意欲が増すなどの大きな影響を与えます。

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(2) 不妊治療と仕事との両立支援導入ステップ

 

 企業が、社員の不妊治療と仕事との両立支援の取組を行うには、以下のステップが必要と考えられます。


ステップ1 取組方針の明確化、取組体制の整備

ステップ2 社員の不妊治療と仕事との両立に関する実態把握

ステップ3 制度設計・取組の決定

ステップ4 運用

ステップ5 取組実績の確認、見直し

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(3) 不妊治療と仕事との両立を支援する上でのポイント

 
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  • @ 男女とも同様に利用可能な制度とする
    医学的にも社会的にも、不妊治療に対する支援が求められているのは、女性だけではありません。

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  • A 非正規雇用労働者も対象にする
    同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、あらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されていますので、不妊治療と仕事との両立支援の取組を行う場合、法の内容に沿ったものか点検する必要があります。

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  • B 社員のニーズを把握し、多様な制度を整備する
    不妊治療と仕事との両立を図るために、社員がどのような制度、支援を求めているのか把握し、社員のニーズに沿う多様な休暇制度・両立支援制度を整備します。

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  • C 「不妊治療」を前面に出さない方がよい場合もある
    不妊治療のための支援策であることを前面に出すと、分かりやすい一方で、不妊治療を周囲に知られたくない人もいることから、前面に出さない方が活用が進むこともあります。

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  • D 不妊治療以外の施策とパッケージ化して導入する
    制度の恩恵を受けないと感じる社員の不満等を受け止め、会社として様々な施策で社員を総合的に支援している姿勢を示します。

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  • E 導入時には外部にも発信する
    報道等がされたことで、社内における周知が更に進む契機となったり、制度の活用が進んだりすることがあります。

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  • F プライバシーの保護に配慮する
    不妊治療の相談等があった場合、本人の意思に反して職場全体に知れ渡ってしまうことなどが起こらないよう、情報共有の部署や担当者等の範囲をあらかじめ決めておくなど情報の取扱いに留意し、プライバシーの保護に十分に配慮します。

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  • G ハラスメントを防止する
    働きながら不妊治療を受けようとする労働者に対しては、周囲からのハラスメントが発生することもあることから防止対策を講じる必要があります。また、親しい者同士でのからかいや冗談でも当事者を傷つけることがあることに留意します。

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  • H 制度づくりと併せて職場風土づくりをする
    十分な制度があっても、その制度を活用しやすい職場風土がないと、活用は進みません。企業のトップ自らが不妊治療と仕事との両立を支援し、推進するというメッセージを発信し、休暇制度・両立支援制度を活用しやすい職場風土づくりをすることが重要です。

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  • I 不妊治療と仕事との両立に係る認定の取得を目指す
    次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画に盛り込むことが望ましい事項に「不妊治療を行う労働者に配慮した措置の実施」が追加されています。また、令和4年4月1日から「不妊治療と仕事との両立に係る認定制度(くるみんプラス)」が創設されました。自社の行動計画に不妊治療と仕事との両立支援に係る取組を盛り込み、認定の取得を目指して取り組むことも重要です。認定されると左図のマークが使用できます。

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(4) 参考情報

 

 @ 不妊治療と仕事との両立に関する問合せ機関

 

 A 産業保健関係者、事業主、人事労務担当者等向けの相談機関

 
  • 産業保健総合支援センター(さんぽセンター)

    独立行政法人労働者健康安全機構
    産業保健総合支援センター(さんぽセンター)
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    独立行政法人労働者健康安全機構では、47都道府県に「産業保健総合支援センター」を設置し、産業医、衛生管理者等の産業保健関係者を支援するとともに、事業主や人事労務担当者等からの産業保健に係る相談(働く女性の健康管理に関する相談を含む。)に対応しています。
    また、小規模事業場で働く人の健康管理支援として、全国に地域産業保健センターを設置し、産業医又は保健師による健康相談等を行っています。

 B 職場におけるハラスメント対策・不利益取扱いの禁止

 

労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法において、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントや妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止措置が事業主に義務づけられています。また、これらのハラスメントについて相談したこと等を理由とする不利益取扱いの禁止などが定められています。

 C 次世代育成支援対策推進法

 

常時雇用する労働者数が101人以上の事業主は、労働者の仕事と子育ての両立を図るための行動計画を策定し、外部への公表及び労働者への周知を行った上で、策定した旨を都道府県労働局へ届け出ることが義務付けられています。

令和4年4月1日からは、くるみん、プラチナくるみんの認定基準を改正するとともに、トライくるみん、不妊治療と仕事との両立に取り組む事業主を認定する「くるみんプラス」が創設されました。

 D 両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)

 

 不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度(@不妊治療のための休暇制度、A所定外労働制限制度、B時差出勤制度、C短時間勤務制度、Dフレックスタイム制、Eテレワーク)を利用しやすい環境整備に取り組み、不妊治療を行う労働者の相談に対応し、@からEの休暇制度・両立支援制度を労働者に利用させた中小企業事業主に対し助成を行っています。

申請のステップ:

両立を支援する旨の企業トップの方針の周知

社内ニーズ調査

就業規則等の規定の周知

両立支援担当者の選任

労働者との面談・「不妊治療両立支援プラン」の策定

支給額:

A 「環境整備、休暇の取得等」


最初の労働者が休暇制度・両立支援制度を合計5日(回)利用


→ 30万円


B 「長期休暇の加算」


Aを受給し、労働者が不妊治療休暇を20日以上連続して取得


→ 30万円

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    ※ A・Bともに1事業主あたり1回限りの支給


申請先:

都道府県労働局雇用環境・均等部(室) 




働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休取得促進コース)を利用いただける場合もあります。

 E 不妊治療連絡カード

 

 「不妊治療連絡カード」は、不妊治療を受ける、または今後治療を予定している労働者が、企業に対し不妊治療中であることを伝えたり、企業の不妊治療と仕事との両立を支援するための制度等を利用する際に提出したりすることを目的として、厚生労働省が作成し、活用をお勧めしているものです。

///// 上記は、厚生労働省が作成したマニュアルの内容を抜粋し、従業員の方向けにWAMで一部修正を加えたものです。 /////




障害者にかかわるしごと