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2021年度介護報酬改定のポイント
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 2021年度の介護報酬改定は、全体で+0.70%(うち新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価(2021年9月末まで)+0.05%(年間換算))。施設開設・運営、職員の処遇改善に関する主な改定内容は次の通り

T 医療と介護の連携の推進

 

〇老人保健施設のかかりつけ医連携薬剤調整加算を見直す

【改定前】かかりつけ医連携薬剤調整加算125単位(退所時に1回に限り算定可能)

【新設】かかりつけ医連携薬剤調整加算(T)100単位

かかりつけ医連携薬剤調整加算(U)240単位(Tに加えてCHASEを活用したPDCAサイクルのへの上乗せの評価)

かかりつけ医連携薬剤調整加算(V)100単位(Uに加えて減薬に至った場合の上乗せの評価)

 

〇短期入所療養介護(老健が提供する場合に限る)の創設

【新設】総合医学管理加算275単位/日(1回の短期入所につき7日に限る)

 

〇介護医療院について、長期入院患者の受け入れ・サービス提供を新たに評価

【新設】長期療養生活移行加算60単位/日(入所した日から90日間に限り算定可脳)

 

〇介護療養型医療施設について、2023年度末の廃止期限までの円滑な移行を進めるため、半年ごとに移行等に係る検討状況について指定権者に報告を求め、期限までに報告されない場合には、次の期限までの間、基本報酬を減額。

【新設】移行計画未提出減算10%/日減算(最初の提出期限は2021年9月30日)

 

U 在宅サービスの機能と連携の強化

 

〇緊急時の宿泊ニーズに対応する観点から、認知症グループホーム、短期療養、多機能系サービスにおいて、受け入れ日数や人数の要件を見直す。

・認知症グループホーム

【改定前】1事業所1人まで・7日以内・個室

【改定後】1ユニット1人まで・7日以内原則(やむを得ない場合14日まで)・「おおむね7.43u/人で個室的なしつらえ」の場合も認める

・短期入所療養介護の緊急短期入所受け入れ加算の日数要件

【改定前】7日以内

【改定後】7日以内原則(やむを得ない場合14日まで)

・小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護

 登録者以外の短期利用(短期利用居宅介護費)は事業所の登録定員に空きがあること等が改定前の要件であったが、改定後は登録者のサービス提供に支障がないことを前提に「宿泊室に空きがある場合は算定可能」となった。

 

V 介護保険施設や高齢者住まいにおける対応強化

 

〇個室ユニット型施設の定員上限の明確化

【改定前】おおむね10人以下としなければならない。

【改定後】原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないものとする。

※当分の間、改定前の入居定員を超えるユニットを整備する場合は、夜間・深夜を含めた介護職員・看護職員の配置の実態を勘案して職員を配置するように努めること。

なおユニット型個室的多床室については、新たに設置することを禁止する。

 

W 地域の特性に応じたサービスの確保

 

〇離島や中山間地域等におけるサービスを充実させるため、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護を中山間地域等に係る加算の対象とする。

〇認知症グループホームのユニット数を弾力化、サテライト型事業所を創設。

【改定前】原則1または2、地域の実情により事業所の効率的運営に必要と認められる場合は3

【改定後】1以上3以下

【新設】サテライト事業所(本体事業所のユニット数を上回らず、かつ本体事業所のユニット数との合計が最大4まで)

※本体事業所との兼務等により、代表者、管理者を配置しないこと、介護支援専門員ではない認知症介護実践者研修を修了した者を計画作成担当者として配置することが可能。

 

X 介護職員の処遇改善、職場環境の改善

 

〇特定処遇改善加算の介護職員間の配分ルールの柔軟化による取得促進

  平均の賃金改善額の配分ルールにおける「経験技能のある介護職員」は「その他の介護職員」の「2倍以上とすること」について「より高くすること」に見直す(図1)

 

介護補修改定説明図1

 

〇すべての介護サービス事業者に、適切なハラスメント対策を求める(運営基準に規定)。

【新設】(訪問看護の例)指定訪問介護事業者は、適切な指定訪問介護の提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動または優越的な関係を背景として言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより訪問介護員等の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

〇見守り機器を導入した場合の夜間における人員配置の緩和

【特養、地域密着型特養入所者生活介護、短期入所者生活介護】(表1)

@改定前の0.9人配置要件の見守り機器の導入割合の要件を緩和(15%→10%に)

A新たに0.6人配置要件を新設する。

 

介護報酬改定解説表1

 

【特養(従来型)】

 表2のように夜間の人員配置基準を緩和。ただし、利用者数の狭間で急激に職員人員体制の変更が生じないよう配慮し、改定前の配置人員数が2人以上に限り、1日当たりの配置人員数として常勤換算方式による配置要件に変更する。配置人数は常時1人以上(利用者数61人以上の場合は常時2人以上)配置することとする。

 

介護報酬改定解説表2

 

Y 評価の適正化・重点化

 

〇上位区分の算定が進んでいることを踏まえ、介護職員処遇改善加算(W)、(X)を廃止

 

介護報酬改定解説図2

※2021年3月末時点で(W)、(X)の加算を算定している事業者については、1年の経過措置期間を設ける。

※ この記事は月刊誌「WAM」2021年4月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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