T グループホームにおける重度化・高齢化への対応
〇重度障害者支援加算の対象者の拡充(強度行動障害を有する者に対する評価)
これまでの重度障害者支援加算(T)360単位/日(区分6かつ意思疎通が困難である等の一定の要件を満たすもの)に加え、障害支援区分4以上の強度行動障害を有するものを算定対象に加える。
【新設】重度障害者支援加算(U)180単位/日(区分4以上の強度行動障害を有する者)
〇医療的ケアが必要な者に対する評価
【新設】医療的ケア対応支援加算120単位/日
〇強度行動障害を有する者の受け入れ促進(体験利用の評価)
【新設】強度行動障害者体験利用加算400単位/日
U 自立生活援助の整備の促進
〇人員基準の緩和
別々の者を配置することとしていた「サービス管理責任者」と「地域生活支援員」の兼務を認める
〇支給決定に係る運用の見直し
標準利用期間(1年)を超えてさらにサービスが必要な場合について、原則1回ではなく、市町村審査会の個別審査を要件としたうえで、複数回の更新を認める。
〇自立生活援助サービス費(T)の対象者の拡充
【改定後】障害者支援施設や精神科病院、グループホーム等から退所等してから1年以内の者または同居親族の死亡等により単身生活を開始した日から1年以内の者(傍線部分を追加)
〇同行支援加算の見直し
【改定前】同行支援加算(回数にかかわらず)500単位/月
【改定後】同行支援加算(月2回まで)500単位/月(月3回)750単位/月(月4回以上)1000単位/月
〇夜間の緊急対応・電話対応の新たな評価
【新設】イ 緊急時支援加算(T)711単位/日(地域生活支援拠点等の場合+50単位/日)(緊急時に利用者等からの要請に基づき、深夜に速やかに利用者の居宅等への訪問等による支援を行った場合)
ロ 緊急時支援加算(U)94単位/日(緊急時に利用者等からの要請に基づき、深夜に電話による相談援助を行った場合)
V 質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し
〇基本報酬の充実(単位数の引き上げと加算の組み込み/表1)
W 地域生活支援拠点等の整備の促進・機能の充実
〇緊急時における対応機能の強化(訪問系サービス等)
市町村が地域生活支援拠点等として位置付けた訪問系サービス事業所について、緊急時の対応を行った場合に加算。
【新設】・居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援+50単位/回
・自立生活援助、地域定着支援+50単位/日(緊急時対応加算、緊急時支援加算(T)または緊急時支援費(T)を算定した場合、さらに+50単位を上乗せ)
〇緊急時のための受け入れ機能の強化(短期入所)
【新設】短期入所+100単位/日(短期入所のサービス利用の開始日に加算)
X 就労移行支援・就労定着支援における支援の質向上に向けた報酬等の見直し
〇就労移行支援(※1)
一般就労の高い移行実績を実現する事業所を基本報酬でさらに評価。改定前は、前年度の実績のみを評価基準としていたが、改定後は標準利用期間が2年間であることを踏まえ、直近2カ年度の実績により算定する(表2)
・障害者本人の希望や適性・能力を的確に把握・評価を行うアセスメントについて、地域のノウハウを活用し、その精度を上げ、支援効果を高めていくための取り組みとして、本人や他の支援機関等を交えたケース会議等を実施した事業所を評価する加算を創設。
【新設】支援計画会議実施加算583単位/回(1月につき1回かつ年4回を限度)
〇就労定着支援
基本報酬の区分について、よりきめ細かく実績を反映するため、各区分に係る実績の範囲を見直す(表3)
Y 就労継続支援A型の基本報酬等の見直し
基本報酬の算定に係る実績については、改定前は「1日の平均労働時間」に応じて報酬が算定されていたが、改定後はこれに加え「生産活動」、「多様な働き方」、「支援力向上」、「地域連携活動」の5つの観点からなる各評価項目の総合評価をもって実績とする方式(スコア方式)に見直された(表4)
なお、事業所ホームページ等を通じて、スコア方式による評価内容をすべて公表することが義務づけられる(運営基準の見直し)とともに、未公表の場合には基本報酬が減額される(※2)
Z 就労継続支援B型の基本報酬等の見直し
改定前は「平均工賃月額」に応じた報酬体系となっていたが、改定後は「平均工賃月額」(※3)(改定前の7段階から8段階にし、高工賃を実現している事業所をさらに評価)だけでなく、「利用者の就労や生産活動への参加等」を一律に評価する基本報酬体系を新設(20人以下の定員で556単位/日)。こちらを選択する場合、新たな加算として「地域協働加算(30単位/日)」、「ピアサポート実施加算(100単位/月)」も取得可能となる(表5)。
[ 医療的ケア児者に対する支援の充実
改定前は、障害児通所サービス(児童発達支援・放課後等デイサービス)の基本報酬では直接評価していなかった医療的ケア児の基本報酬を新設。いわゆる「動ける医ケア児」にも対応した新たな判定スコアを導入し、1事業所あたりごく少人数の医ケア児の場合(基本報酬では採算がとりづらい)であっても幅広い事業所で受け入れが進むよう、従来の看護職員加配加算を改組し、医療連携体制加算を拡充した(表6)
\ 放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し
改定前は、一定の指標に該当する障害児の人数が5割以上の場合を区分1、5割未満を区分2と分けて基本報酬を設定していたが、区分分けを廃止して1つにし、より手厚い支援を必要とする子どもに応じた、以下の加算に見直し。
・個別サポート加算T ケアニーズの高い児童(著しく重度および行動上の課題のある児童)への支援を評価100単位(※4)
・個別サポート加算U 虐待等の要保護児童等への支援について評価125単位(※4)
・専門的支援加算 専門的支援を必要とする児童のための専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者を常勤換算で1以上)の配置を評価
※1…2022年度における基本報酬は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、前年度(2021年度)実績を用いなくてもよい等の柔軟な取り扱いを実施。
※2…2022年度における基本報酬は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「1日の労働時間」や「生産活動収支の状況」について前年度(2021年度)実績を用いなくてもよい等の柔軟な取り扱いを実施。
※3…2022年度における基本報酬は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、「平均工賃金額」に応じた報酬体系では前年度(2021年度)実績を用いなくてもよい等の柔軟な取り扱いを実施。
※4…単位数は障害児(重症心身障害児を除く)に対し授業終了後に指定放課後等デイサービスを行う定員10人以下の場合。