連載コラム
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会議出席メンバーのルール(例) | |
● | 前回の議事録と今回の議題を事前に確認し、少なくとも一つは自分の意見を述べる。 |
● | 誰かが発言している時は聴くことに集中する。途中でさえぎらない。 |
● | 人の意見を批判、非難しない。 |
● | 「それは無理」、「できない」ではなく、できるようにする方法を全員で前向きに考える。 |
2. 議題は事前に確認し「誰がどこで発言するか」をイメージし働きかける
出席メンバーは事前に前回の議事録を確認するとともに、会議の1 週間前には議題を明記した会議開催通知を出席メンバーに配布し、各自が会議への準備をしておくことをルールとして周知します。同時に、司会進行役は「どこで誰が発言するか」をイメージします。
議題と出席メンバーを見渡せば、「議題@では、Aさんがいつもの『○○…』という持論を主張しそうだな。議題@については、この前Bさんが言っていた『△△…』という考えについて皆で検討するといいように思うが、Bさんは会議の場で自分から手を挙げてAさんの発言に異論を唱えるようなことはしないだろうな…」など、ある程度は展開が予想できるのではないでしょうか。
こうしたイメージをもとに、Bさんには「この前Bさんが言っていた『△△…』という意見、議題@の中で皆で検討できるととてもよいと思うので、ぜひ発言してほしい」と事前に伝えておきます。そのうえで、Bさんが自主的に発言するのが理想的ですが、手が挙がらない場合は司会進行役が「Bさんの部署ではどうですか?」、「Bさんはどのように考えますか?」と指名し、意見を述べてもらいます。
3. 到達点を明確にし、意見の引き出し方を工夫する
例えば、新しい事業やイベントを検討、決定する場合、ブレインストーミングを用いて実現の可否にこだわらない奇想天外なアイディアをできるだけ多く出すことにより斬新な結論を創出できます。しかし、議論の第一段階では「できるだけ多くの自由な意見」を必要としますが、最終決定段階では「それまでの議論を踏まえた意見」を引き出さなくてはなりません。司会進行役は前回の決定事項、継続審議事項を整理し、今、議論がどの段階にあるのか、今日の会議では何をどこまで決めるのかを把握して、出席メンバーに提示することにより、議論に必要な意見を引き出せるように働きかけます。
次回は、A議論を活性化させる、B結論へと導くスキルについて述べます。
※ この記事は月刊誌「WAM」平成27年7月号に掲載したものです。
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