高齢の単身者や夫婦のみの世帯に介護・医療と連携したサービスを提供するバリアフリー構造の住宅
概要
2011年10月に改正された「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」にもとづき、高齢の単身者や夫婦のみの世帯を対象に介護や医療が連携し、これらのサービスを提供するバリアフリーの構造の住宅です。
具体的には、従来の高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)の3つの高齢者向け集合住宅を再編し、かつ一元化したもので、入居者の安否確認や生活相談といった高齢者支援サービスが提供されます。これは2012年の介護保険制度の見直しで介護保険制度上、在宅扱いとされたからで、介護が必要になった場合、訪問介護などの居宅サービスや24時間365日、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護などを入居したまま利用できます。
床面積は原則として25平方メートル以上、また、車いすが通行可能な廊下の幅や段差の解消、手すりなどバリアフリーといったハード面の条件を備えるとともに、介護の専門職による安否確認や生活相談サービスを提供することなどにより、高齢者が安心して暮らすことができる環境が整備されています。
ただし、事業化にはあらかじめ都道府県知事に登録することが必要で、契約の際、前払いの家賃に関する返還ルールと保全措置が講じられています。また、登録された事項の情報開示や入居者への契約前の説明、誇大広告の禁止なども義務づけられています。
なお、建設にあたっては費用の10分の1、改修にあたってはその費用の3分の1の国庫補助がありますが、いずれも1戸当たりの上限が定められています。
また、2025年3月31日までに新築、または取得し、かつ一定の要件を満たす場合、固定資産税の軽減や不動産取得税の減額が受けられるなど、補助・税制・融資による支援があります。所管は国土交通省と厚生労働省の共同になります。
施設数
8,259棟(2023年11月現在)
出典:「サービス付き高齢者向け住宅の最新動向」|サービス付き高齢者向け住宅情報提供システムホームページ
(https://www.satsuki-jutaku.jp/journal/article/p=2521)
主な就業職種
介護福祉士、訪問介護員・ホームヘルパー(介護職員初任者研修修了者)、社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、事務職員
採用について
2011年11月に112棟であったサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は2023年11月末では8,259棟にまで増加しています。今後もサービス付き高齢者向け住宅は増加していくと考えられますが、なかには建物の構造や設備、さらにはマンパワーなどの面で問題のあるところも出ているため、応募する際は介護業務や夜勤の有無など業務内容をよく調べる必要があると思われます。
関連団体・組織
一般社団法人高齢者住宅協会
https://kosenchin.jp/
一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会
https://www.sumaimachi-center-rengoukai.or.jp/
一般財団法人高齢者住宅財団
https://www.koujuuzai.or.jp/
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