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研究成果
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最近の介護事業者数の動向について


 当機構の運営するWAM NET(ワムネット)では、都道府県の協力のもとに最新の「介護保険事業者」を提供している。
 今回、WAM NETに搭載された介護保険事業者を基に、平成18年度の介護保険法の改正後における介護保険事業者数の動向を取りまとめたので、業務の参考としてご活用ください。

○ 概要

 平成18年から平成21年までの各年の4月末におけるWAM NETに掲載された各サービスの事業者数は、図1のとおりである。

 平成18年から平成21年までの間における主なサービスに係る事業所、施設の掲載数の推移を見ると、訪問介護、訪問入浴介護及び福祉用具貸与等の事業所は減少傾向にある。
 特に福祉用具貸与について9,043事業所から7,319事業所と20パーセント近く減少している。福祉用具貸与の減少については、平成18年度介護報酬の改定において、要支援者(要支援1・要支援2)及び要介護1の者に対する特殊寝台、車椅子等の貸与が介護保険の対象外となったことが大きな要因と思われる。
 また、平成21年度の介護報酬改定において、病院又は診療所につては、通所リハビリテーション及び介護予防通所リハビリテーションのみなし指定を受けることになったため、掲載数が大幅に伸びている。

 施設系サービスでは、指定介護老人福祉施設及び指定介護老人保健施設につて、施設整備が進んだことにより掲載数は着実に増加している。
 また、ケアハウスや有料老人ホーム等の特定施設入居者生活介護については、1,744事業所から3,047事業所と75パーセント増と大幅な増加を示している。
 これら3施設の増加状況を都道府県別でみると、図2〜5のとおりである。


 指定介護老人福祉施設の増加数では、埼玉県47、神奈川県37、愛知県33、茨城県24、兵庫県22であるが、都市部を中心に増加が顕著である。


 指定介護老人保健施設の増加数では、埼玉県21、東京都20、神奈川県18、千葉県14、大阪府14で、特に首都圏での増加が顕著である。


 特定施設入居者生活介護では、東京都161、北海道134、神奈川県114で、3都道県が100事業所を超えている。


 一方、指定介護療養型医療施設は、3,413施設から2,329施設と32パーセント減と大幅な減少を示している。
 これは、療養病床再編成に伴う医療法施行規則等の見直しにより、平成23年度末に向けて療養病床の転換が進められていることを示している。
 減少数の大きい都道府県は、北海道△88、長崎県△61、広島県△56、大分県△54の順となっている。


○ 介護予防サービス

 平成18年度の介護保険法の改正に伴い創設された介護予防サービスに係る事業所については、図6のとおりである。
 介護予防サービスと従来から介護サービスの事業者数の差をみると、例えば、訪問介護では984事業所であり、その差は数パーセントとなっている。従来から介護サービス事業者が介護予防サービスを合わせて実施するケースが多いことが推察される。


○ 地域密着サービス

 同様に介護保険法の改正に伴い創設された地域密着サービスに係る事業所については、図7のとおりである。
 従来からあった認知症対応型居宅介護事業(グループホーム)と認知症対応型通所介護を除いて、夜間対応型訪問介護は107事業所、小規模多機能型居宅介護2,056事業所、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護261事業所、地域密着型特定施設入居者生活介護177事業所にとどまっている。これら介護サービス事業所の多い上位5都道府県は以下の通りであるが、夜間対応型訪問看護のように、事業者数は少ないものの東京23区内等の大都市部に集中しているような、地域の特性を踏まえたものとなっている。


【夜間対応型訪問介護】
東京都 16 神奈川県 11 大阪府 9 埼玉県 7 北海道 5
千葉県 5
福岡県 5
【小規模多機能型居宅介護】
福岡県 121 北海道 121 兵庫県 100 広島県 98 神奈川県 87
【地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護】
兵庫県 19 北海道 17 千葉県 17 岡山県 13 新潟県 12
【地域密着型特定施設入居者生活介護】
福岡県 13 長野県 12 北海道 10 秋田県 8
鹿児島県 8
熊本県 7

 また、認知症対応型居宅介護事業(グループホーム)及び認知症対応型通所介護の平成21年4月末現在の都道府県別の事業所数は、図8のとおりである(参考)


地域密着サービス
地域密着サービスとは、平成18年4月1日の介護保険法の改正に伴い創設された新たなサービスです。そのおおまかな特徴とサービスの種類は下記の通りです。
【特徴】
  1. @許認可は各市町村が独自に行う(他の介護保険サービスは都道府県)
  2. A原則住所地以外の他の市町村が実施する地域密着サービスは利用できない
【サービス種類】
  1. @夜間対応型訪問介護
  2. A認知症対応型通所介護
  3. B小規模多機能型居宅介護
  4. C認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  5. D小規模(定員29人以下)の特別養護老人ホーム
  6. E小規模(定員29人以下)の特定施設入所者生活介護(ケアハウス)
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護とは、平成18年4月の介護保険制度改正により創設された、地域密着型サービスのひとつです。介護が必要となった高齢者(主に認知症高齢者)が、今までの人間関係や生活環境をできるだけ維持できるよう、「通い」を中心に「訪問」「泊まり」の3つのサービス形態が一体となり、24時間切れ間なくサービスを提供できるのがその大きな特徴です。
対象者と定員
認知症高齢者による利用が中心になるが、認知症の有無を問わず、利用可能。
(利用定員)
1事業所あたりの登録定員 25名以下
「通い」の1日当たり定員 概ね15名以下
「泊まり」の1日当たり定員 概ね 9名以下
設備要件
設備要件は、居間(食堂、機能訓練室、台所を兼用)、夜間ケアを行うための個室、静養室、相談室、事務室を設けること。 建築基準法をベースとし、1人当たりの面積基準を設けることとし、サービスごとの面積基準を設けない。 夜間ケアは実情に応じた居間や静養室をパーティションで仕切る形態でも可能。
職員配置
訪問ケア、日中ケア、夜間ケア夫々に固定配置をしない。 介護支援専門員1人は必置。痴呆性グループホームの人員配置(日中は3対1、夜間は1人以上)を参考にする。

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