地域に密着した「社会福祉法人啓誠福祉会」
社会福祉法人啓誠福祉会は、小野町の公募事業に手を挙げ、平成26年に法人を立ち上げました。利用者・職員ともに小野町出身の方が多く、地元に貢献したいという思いから、理事はすべて小野町出身者ということです。
特別養護老人ホームさくらから車で15分ほどの場所に、社会福祉法人啓誠福祉会の母体となった医療法人誠励会があります。日々、連携をとりながら、利用者のケアをしています。
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▲ 特別養護老人ホームさくら |
万が一の災害に備えて
東日本大震災発生時、幸いにも近隣では電気や水道等のライフラインは使うことができたそうですが、今後起こり得る災害に備え、特別養護老人ホームさくらは建物の造りに配慮しています。
特別養護老人ホームさくらは、4人部屋が7部屋、個室1部屋の定員29名ですが、各居室は広めに作られています。4人部屋は、災害時に6人まで受け入れることができ、談話室でも避難者を受け入れることが可能です。
避難者用に、予備の布団や簡易ベッドを準備しており、非常食はすでに3日分確保していますが、追加する予定もあります。そして、地震災害マニュアルは開所前に作成済みであるということです。
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▲ 居室 |
▲ 談話室 |
また、特別養護老人ホームさくらは平屋造りであり、一直線に伸びる廊下に出ると、施設全体を見渡すことができます。非常時に施設全体を一目で確認できることは、迅速な安全の確保につながります。
もし、特別養護老人ホームさくらでの受け入れが困難になった場合は、医療法人誠励会と協働し、利用者や避難者を守る計画が策定されています。
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▲ 全体を見渡すことができる廊下 |
地域全体で人材の確保に課題を抱える
開所にあたり、最も苦労されたのが「人材確保」だそうです。
人材確保については、特別養護老人ホームさくらだけではなく、地域全体の課題でもあるそうです。
医療法人誠励会からの転籍、ハローワークや新聞折り込み、自身のホームページでの求人情報の掲載等、様々なアプローチをしましたが、なかなか思うようには集まらないという状況でした。現在、特別養護老人ホームさくらには、新卒の介護職員はなく、介護の現場での経験がある職員が多いということです。
介護の経験が浅い方でも心配はありません。採用後は、医療法人誠励会の運営する施設で研修を行うことで、職員をフォローしています。また、定期的に勉強会も開催しています。
小野町を愛する利用者のために
特別養護老人ホームさくらでは、利用者が心安らげる場所であってほしいという思いから、利用者が小野町にいることを感じられるよう心配りがなされています。
例えば、小野町には“夏井千本桜”など、いくつもの桜の名所があることから、建物の壁は特別養護老人ホーム“さくら”の名のとおり、温かみのある“さくら色”を使っています。また、浴室には小野町の桜の写真を設置し、春にはお花見にも出かけるそうです。
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▲ 浴室 |
小野町に住む方の“足”として活躍している磐越東線も利用者の方から愛されているもののひとつです。線路沿いに建てられている特別養護老人ホームさくらは、すべての居室の窓から、磐越東線を見ることができます。磐越東線が通過する度に、体を起こして眺めている利用者の方もいるそうです。
特別養護老人ホームさくらは、利用者の方の「心安らげる場所」、災害時の「頼れる場所」として、小野町全体を支えていくことでしょう。
<< 法人概要 >>
法人名 |
社会福祉法人啓誠福祉会 |
理事長 |
琴田 啓子氏 |
法人施設 |
特別養護老人ホームさくら |
旧施設所在地 |
- |
新施設所在地 |
福島県田村郡小野町大字小野新町字団子田36番地1 |
福祉医療機構融資額 |
- |
法人設立時期 |
平成26年 |
施設再建時期 |
平成26年9月 |
URL |
http://www.keiseifukushikai.net/ |
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