サービス取組み事例紹介
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八丁平共生型センター「はっち」 |
大地一史さん |
多機能型地域交流ハウス「があだぱーと」 |
「があだぱーと」への支援を皮切りに、わーかーびぃーは室蘭の地域でも必要とされる存在となっていきましたが、その象徴とも言える「八丁平共生型センターはっち」はどのように誕生したのでしょうか。
「があだぱーと」がある室蘭市八丁平地区は、市内でも比較的緑豊かな地域で、閑静な住宅が並ぶ人口5,000人ほどの地域です。
町内会としての福祉活動や高校のボランティア活動も盛んな地域で、高齢者と高校生、障害者がともに地域の花壇作りを行ったり、祭礼などでも一緒に汗を流す姿が見られるなど世代間交流も行われています。
一方で、地域活動の拠点として活用されていた地区会館が老朽化により他に新築移転し、周囲に住んでいた多くの高齢者が活動の場を失ってしまうといった状況も地域に生まれていました。
元々の会館は旧会館として空き家となり、そのまま残っていたため、同地区では旧地区会館の活用が大きな課題でした。また、「があだぱーと」で暮らす障害のある方やご家族、それからわーかーびぃーのスタッフからも旧地区会館を「障害のある人や地域の人の拠点としてリニューアルできないか」という声が上がりました。
そこで、旧地区会館の再生に向けて、わーかーびぃーが平成22年度のWAM助成を活用し、「地域協働による共生型障がい者総合支援事業」として取り組むことになります。障害のある方のためだけのサービスの創出だけでなく、住民の誰もが安心して地域で暮らしていく環境をどうつくるか、まちづくりも視野に入れた旧地区会館の再生です。
わーかーびぃーが最初に取り組んだことは、地域住民の声を集めることです。まず、住民が旧地区会館をどのようにしたいのかを把握するため、養護学校保護者・教員、肢体不自由児者父母の会会員・当事者、地域住民、社会福祉協議会職員、町内会関係者と多方面に声を掛けて、意見交換会を開催し、計画段階から話し合いに参加してもらうようにしました。
意見交換会は、研究機関や専門家にも協力してもらい、客観的な議論、意見出しができる自由な雰囲気作りを目指して、各分野の方が個別に集まる回と全ての参加者が集める回をそれぞれ複数回設定するという工夫をしたことで、さまざまな立場の方から自由に意見を出してもらうことができたとのことです。
WAM助成を活用してこれらの活動を行った結果、「地域のニーズの把握」、「地域住民の参加」といった、当初の目的を達成できただけではなく、“地域のネットワークづくり”といった効果も生まれました。
WAMとしても、方向性を決めることに目的を絞って、計画的に実施された活動として高く評価しています。
このような成果を受けて、平成23年度に室蘭市が建物を改修するための補助金を国に要望し、旧地区会館は「障害者総合支援法に基づくサービスの提供施設」兼「地域住民の交流の場」としての機能を持つ「八丁平共生型センターはっち」として生まれ変わりました。
今では、地元の老人クラブ関係者の施設利用や「そば打ち」のイベント開催、ウクレレやマンドリンの演奏会、展覧会の開催、火曜日・木曜日は喫茶コーナーの開設といった活動が行われています。今後は「健常の児童やそのご家族、あるいは地元の高校とのつながりを深めることに力を入れていきたい」とのことです。
松坂理事長は、わーかーびぃーの取り組みについて、「『たった一人の障がいのある方からの希望する声や願い』にこたえること。これが一つひとつの取り組みの原点。」と説明していただきました。
一つの声に耳を傾け、その声を取り巻く環境に真摯に向き合ってきたことは法人設立のきっかけとなったレスパイトケアサービス、地元ではない地域への支援参入、さらには旧地区会館の再生による福祉の街づくりに至ったことに現れています。今後の事業展開においても当事者主体、ニーズから考えるという強い姿勢を感じます。
平成25年度、わーかーびぃはWAM助成を活用して、肢体不自由者の地域生活志向の高まり、親の高齢化や死亡による自宅介護の限界等の状況が広がる中で、全国各地において肢体不自由者の住まいの場づくりを促進することを目的として、地方の市町村での実践例の抽出と検証を行いながら、医療ケアの必要な重症心身障害者の地域移行推進モデル事業の実施に取り組んでいます。
だれもが住み慣れた地域で安心して暮らすことができるように、この助成事業の取り組みをきっかけとして、地域移行推進となるモデルが全国へ波及していくことを期待しています。
法人名 | 特定非営利活動法人わーかーびぃー | 開所時期 | 平成16年1月29日 |
所在地 | 札幌市厚別区上野幌3条4丁目1−12(法人本部) | ||
電話 | 011-893-1199 | FAX | 011-893-5599 |
代表者 | 松坂 優 氏 | 連絡担当者 | 河口 一廣 氏 |
運営事業 | 居宅介護、重度訪問介護、生活介護、行動援護、短期入所、指定相談支援、日中一時支援、移動支援等 | ||
URL | https://workerbee.or.jp/ |