厚生労働省の「社会保障審議会障害者部会」(部会長:菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)と、こども家庭庁の「こども家庭審議会障害児支援部会」(部会長:有村大士・日本社会事業大学社会福祉学部教授)の合同会議が1月30日に開催され、障害保健福祉施策の動向に関して様々なテーマで議論が交わされた。
運営指導、グループホームや放デイなど5サービスに重点化
「運営指導・監査の強化」の事務局案は、通知改正で都道府県等による運営指導の重点化を図り、特に営利法人運営による事業所数が急増している「@就労継続支援A型、A就労継続支援B型、B共同生活援助(グループホーム)、C児童発達支援、D放課後等デイサービス」の5サービスについて、3年に1回以上の頻度での運営指導実施を徹底する、というもの。現状では、全障害福祉サービスの運営指導の実施率(年間実施件数/全事業所数)は全国平均で16.5%(令和5年度)という水準にとどまるが、5サービスについては「33.3%以上」をクリアすべき指標とする。改正版の通知は今年度中に発出し、来年度から実施に移す。
こうした事務局案に対し、委員の大半は概ね賛同の意を表明。一方で「都道府県職員だけでやりきれるのか」と実施体制に疑問符を投げかける指摘も相次いだ。「制度上は運営指導業務の民間委託は可能となっているが、実際に民間委託の選択が可能なのか実態を把握したうえ、事業者の養成も含めて体制強化を検討すべき」との意見も出された。
指定申請も報酬請求も、令和8年度からは「標準様式」に移行
「手続負担の軽減」の事務局案は、国が令和6年4月から提供を開始した指定申請や報酬請求の際の「標準様式」を、令和8年度以降は原則使用するなど、取り扱いを変更する、というもの。令和6年度中に省令・告示の改正を行い、準備が整った自治体では施行時期を待たず、早期の活用を促すこととしている。
委員からは、「現場の負担軽減になることはありがたい」と歓迎の意が示される一方、「小さな事業所では毎月の報酬請求でも手一杯。標準様式への移行は性急に進めないようにしてほしい」との意見もあった。
令和7年10月導入の「就労選択支援」、あらためて趣旨・目的の周知を
「就労選択支援」の事務局案では、令和4年の障害者総合支援法改正に基づいて令和7年10月に創設される新サービスが紹介された。令和6年度内を目途に、「就労選択支援員の要件」「報酬算定」「支援の対象者」「中立性の確保」など、事業の実施上の留意事項を通知等で示すこととしており、その記載事項の概要と方向性が、資料として示された。
委員からは、「就労選択支援は本人の行き先を決めることではなくて、本人の選択を支援するためのサービス。『決められたところに行かないといけない』というような誤解がないよう、サービスの趣旨・目的の周知が大事」といった意見や、「就労選択支援のアセスメントが生きてくるよう、地域における障害者の就労支援体制の整備とセットで進めてほしい」といった意見が示された。