制度利用に関する質問を掲載しています。
我が国の国民医療費の現状を教えてください。
国民医療費は、医療保険・労災・生活保護の医療扶助・公費負担医療などの医療費の合計で、毎年医療にどれくらいの費用が使われたかを示すもので、2012(平成24)年度で39兆2117億円となっています。
国民医療費は、近年、国民所得の約11%程度を占め、国民所得の伸びを上回るスピードで推移しています。国民医療費の増大する要因としては、一人当たり医療費の高い高齢者の増加、生活習慣病の増加、医療の高度化による診療内容の変化などがあげられます。後期高齢者医療費(75歳以上および65歳〜74歳の障害者認定者にかかる医療費)は、2012(平成24)年度で13兆7044億円で、国民医療費の34.9%を占めています。
日本にはどのくらいの数の病院がありますか?
20床以上の入院施設を有する医療施設である病院は、2012(平成24)年の調査によれば、病院数は8,565、病床数は157万8,254床となっています。かつては、40〜50床程度の規模の病院が一般的でしたが、現在では100床以上の病院が約6割を占めており、病院の大規模化が進んでいます。国際的にみると、日本は人口10万人当たりの病院数、病床数ともにきわめて高い水準にあり病院の量的な整備はかなり進んでいます。
診療所(19床以下の入院施設を有する有床診療所か入院施設を有しない無床診療所)のうち、一般診療所数は10万152、歯科診療所数は6万8,474となっています。有床診療所は昭和40年代をピークに減少しており、無床診療所の割合が増加してきています。
国民医療費の増大が問題となっていますが、国ではどのような対策が行われていますか?
急速な高齢化の進展により、国民医療費は年々増加し、医療保険財政は大幅に悪化しています。21世紀の少子高齢社会においても医療保険制度を安定的に維持していくために、制度全般にわたる総合的な改革が急務となっています。このため、1998(平成10)年度には国民健康保険法等について、2000(平成12)年度には健康保険法等の高齢者の一部負担金について改正が行われ、さらに2002(平成14)年7月にはサラリーマンの医療費自己負担を3割に引き上げることなどを内容とする改正が行われました。
しかし、少子高齢化の更なる進行など医療を取り巻く環境が大きく変化し、制度全般にわたる抜本的な改革が不可欠となりました。そのため、2006(平成18)年には、@医療費適正化の推進、A新たなる高齢者医療制度の創設、B都道 府県単位を軸とした保険者の再編・統合を柱とした医療制度構造改革が行われました。
そのほかに、医療の質を落とすことなく、医療費を削減するために、ジェネリック医薬品の普及・利用促進にも取り組んでいます。また、2000(平成12)年、生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に関する課題について目標等を選定し、国民が主体的に取り組める新たな健康づくり運動として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」が策定され、9分野における生活習慣病予防に向けた取組みが行われています。
高齢者医療制度について教えてください。
国民の高齢期における適切な医療の確保を図るため、2008(平成20)年、「高齢者の医療の確保に関する法律」が施行され、後期高齢者医療制度が創設されました。保険料(1割)、現役世代からの支援(4割)や公費(5割)を財源として、市区町村が加入する広域連合により運営されています。医療費適正化推進のための計画を作成し、健康診査等の措置を講じるとともに、高齢者医療について、国民の共同連帯の理念に基づき、前期高齢者(65歳以上75歳未満)の医療費の費用負担を調整するとともに、後期高齢者(75歳以上)に対し、適切な医療を行い、もって国民保健の向上及び高齢者の福祉の増進を図ることを目的としています。満75歳になると、医療保険から脱退し、医療機関で医療を受けるときは、広域連合が発行する後期高齢者医療の被保険者証に切り替わります。
「地域医療支援センターと地域医療支援病院は同じですか?」
一方、地域医療支援病院とは、医療施設機能の体系化の一環として、患者に身近な地域で医療が提供されることが望ましいという観点から、紹介患者に対する医療提供、医療機器等の共同利用の実施等を通じて、第一線の地域医療を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として相応しい構造設備等を有するものについて、都道府県知事が個別に承認しています。承認要件としては、紹介患者中心の医療を提供していること、救急医療を提供する能力を有すること、建物、設備、機器等を地域の医師等が利用できる体制を確保していること、地域医療従事者に対する教育を行っていること、原則として200床以上の病床、及び地域医療支援病院としてふさわしい施設を有すること等があります。
日本のエイズ患者の状況を教えてください。
厚生労働省の2014(平成26)年「エイズ発生動向」によれば、2014(平成26)年末現在、累計エイズ患者7,658人、累計HIV感染者は1万6,903人、合計2万4,561人となっています。2014(平成26)年の新規エイズ患者は455人であり、2006(平成18)年以降、毎年400人以上が維持されています。このうち日本国籍は、422人で、うち409人が男性でした。また、外国籍は、33人であり、うち26人が男性でした。また、同年の新規HIV感染者は1,091人であり、2008(平成20)年をピークに、2007(平成19)年以降、毎年1,000人以上が維持されています。このうち日本国籍は、994人で、うち959人が男性でした。また、外国籍は、97人であり、うち82人が男性でした。
海外での臓器移植が時おりニュースとなりますが、日本の臓器移植の現状はどうなっていますか?
1995(平成7)年度から、全国を一元化した臓器移植体制(ネットワーク)が発足しました。さらに1997(平成9)年10月に施行された「臓器の移植に関する法律」により、多臓器移植が可能となり、それに対応したネットワークへと拡大が図られました。現在、臓器移植については、社団法人日本臓器移植ネットワークが中心となり、統一的な基準に基づき移植を受ける患者を選択するなど、公平かつ適正な臓器のあっせんを行っています。
臓器移植法の施行から2014(平成26)年3月末までの臓器移植提供者および移植実施件数の累計は、心臓は201名の提供者から201件の移植が、肺は177名の提供者から217件の移植が、肝臓は216名の提供者から231件の移植が、腎臓は1,749名の提供者から3,240件の移植が、膵臓は193名の提供者から192件の移植が、小腸は13名の提供者から13件の移植が行われました。
「臓器の移植に関する法律」が改正され、2010(平成22)年1月17日からは親族への優先提供が、7月17日からは本人の臓器提供の意思が不明な場合でも、家族の承諾により脳死下での臓器提供ができることとなり、15歳未満の者からの臓器提供も可能となりました。また、平成18年4月1日より、亡くなられた方からの臓器提供による移植医療は、小腸移植を除き、保険が適用されました。
民間の医療保険に入っています。保険金を請求するために、診断書が必要といわれました。診断書とはどのようなものでしょうか?また、作成には費用がかかりますか?
医療費の支払いについて、相談できるところはありますか?
紹介状を持たずに大学病院を受診したところ、特別な料金がかかると言われました。これはどのようなものでしょうか?
ほかの病院でも受診したいのですが、そのために現在受診している病院のカルテは開示してもらえますか?
ほかの病院での受診を考えています。現在かかっている病院で撮ったレントゲン写真は、希望すればもらえるのでしょうか?また、その際には理由を説明したほうがよいのでしょうか?
保険外併用療養費とはなんですか?
初診時の保険外併用療養費(選定療養)とはなんですか?
保険外併用療養費が支給される場合の、評価療養や選定療養とはなんですか?
高齢で通院が大変な状態です。できるだけ自宅で医療サービスを受けたいのですが、どのような制度がありますか?
入院期間が長くなりそうなので、自宅での療養を考えています。どんな費用がかかりますか?
高額療養費適用の実際の手続きについて教えてください。
病院で診断を受けたのですが、まだ不安があり、他の医師の話も聞いてみたいと思います。どのように行えばよいでしょうか。
休日や夜間の診療を行っているところを知りたいのですが、どこで調べればよいでしょうか?
旅行中の急病で、保険証を持たずに病院を受診しました。支払った分は戻ってくるのでしょうか?
けがで治療中ですが、医師から装具が必要と言われました。製作にかかる費用はどうなりますか?
もしものときは臓器を提供してもよいと考えています。意思表示にはどんな方法がありますか?
薬局で「お薬手帳」をもらいましたが、どのようなことに役立ちますか?
一年間にかかった医療費の合計が高額になりました。医療費の税額控除について教えてください。
かかりつけ医がいるとどういったメリットがありますか?
大学病院などの紹介予約制とはどんなものですか?
夫が入院することになりましたが、付き添いはできるのでしょうか?
監修者
柏浦 松一 社会保険労務士柏浦事務所 特定社会保険労務士