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第3回:ケアマネジャーは、医療と介護の連携の要!


はじめに


 在宅において医療ニーズが高い要介護高齢者が最期まで暮らしていくには、ケアマネジャーの手腕にかかっているといっても過言ではない。吸引、経管栄養、導尿、インシュリン注射といった医療行為を担う医療系サービス、身体介護、生活援助といったヘルパーサービス、ケースによってはデイサービスやショートステイなど、在宅介護サービスのマネジメントの要となる専門職がケアマネジャーである。とくに、医療ニーズが高い要介護高齢者が必要とする医療系サービスは、一部の地域を除いて充分とはいえず、これら供給不足をマネジメントで補うことで、少ないサービス資源を有効に利用できるようにしていくことがポイントとなる。

病院経営と在宅復帰率


 在宅で暮らそうとする医療ニーズの高い要介護高齢者の多くは、病院に入院し退院するケースが多く、病院側との連携が重要となる。ただ、脳梗塞などによって救急車で総合病院に搬送され治療が施されても、約2〜3週間で退院するように促される。この時点で在宅介護を目指す場合には、総合病院側とケアマネジャーとの連携が必要となる。
 とくに、平成26年診療報酬改定によって病院側の収入において「在宅復帰率」が導入され、入院患者の自宅への退院を促すことが迫られるような仕組みとなった。
 なお、総合病院からすぐに自宅での療養・介護に移るのが難しいケースにおいては、リハビリや療養生活を目的に総合病院から亜急性病棟(地域包括ケア病床・回復期リハビリ病棟)へ転院し、そこで3〜5カ月間は入院を続け在宅介護を目指すケースもある。
 いずれにしても病院から自宅に戻る際には、例えば、既述のように口から食事をすることができず、胃に穴をあけてチューブを入れ、栄養を補給する「胃ろう」や、自ら痰を吐き出せないために行う「喀痰吸引」等の医療的ケアと介護サービスのマネジメントが重要となる。

ケアマネジャーにおける医療連携加算


 入院から在宅介護に移行するにあたって、病院側と在宅系介護事業者とで、スムーズに情報共有ができる仕組みが施されている。具体的にはケアマネジャーが、病院・診療所と情報共有をするためにカンファレンスなどを実施すると、介護報酬において加算が認められ収入として加算される(表を参照)。

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@退院・退院加算(退院時)
 患者が病院から退院するにあたり、担当するケアマネジャーが病院へ赴き関係職員(看護師など)と面談により、「利用者に関する必要な情報」を得たうえでケアプランを作成した場合、「退院・退院加算」が収入として得られる。
 なお、必要な情報とは、疾病の状態、特別な医療、食事摂取、口腔清潔、移動、洗身、排泄、夜間の状態、認知・精神面、リハビリ等、療養上の留意する事項となっている。
 また、在宅で生活している要介護高齢者が入院した場合、在宅状況を入院先の医療機関に情報提供した際に得られる「医療連携加算T・U加算(入院時)」や、「緊急時居宅カンファレンス加算」といった仕組みもある。

A介護支援連携指導料
 逆に病院側は、入院中に退院することが見込まれる患者に対して、基本的に2回の指導を行うと収入が得られる。
 1回目は、在宅で暮らす際に介護保険サービスの利用を想定しながら、要介護認定の申請手続きを促す。介護サービスの情報を患者に提供し、実際の在宅生活における実態を説明する。
 そして、2回目の指導においては、患者に選定してもらったケアマネジャーと情報を共有しながら、退院後に想定されるケアプランの原案作成に参考となるような情報提供を行う。また、退院後の外来診療の見込み等を念頭に置いた指導も行うことになる。

ケアマネジャーの情報収集力


 しかし、連携における報酬上の仕組みが整備されても、実際のサービスの担い手が調整できなければ、患者の在宅での生活は難しい。繰り返すが、在宅部門の医療資源不足は一部の地域を除いて深刻である。
 偶然、訪問看護師、ヘルパーなどが、独り暮らし高齢者の在宅での「看取り」を成し遂げようとする気運が高まれば、在宅介護が実現するといっても過言ではない。当然、「かかりつけ医」も、熱心に対応してくれることが条件である。
 そのため、このようなモチベーションの高い、限られた「かかりつけ医(24時間体制)」、「訪問看護ステーション」、「ヘルパー事業所」事業所情報を、日頃から収集していくこともケアマネジャーとして重要な責務であろう。
 確かに、在宅医療・介護現場では、必ずしも患者の住んでいる近隣にこれらの社会資源が整っているとは限らない。
 とくに、「訪問看護ステーション」は、大病院などに人材がとられ、いくら公募してもマンパワーが集まらず、看護サービスが整備されない地域が多い。本人や家族が在宅で最期を遂げたくとも、医療スタッフなどによる「ケア」体制が整わなければ、在宅で痛みを緩和する処置や点滴等ができず、病院へ入院することになってしまうケースも少なくない。
 しかし、まったくないかといえば、日頃からケアマネジャーが情報収集していれば、限られた資源は存在する。実際、在宅で亡くなる要介護高齢者はわずかながら増えている。これら資源の開発は、ケアマネジャーにとって重要な責務である。

住環境も大きなポイント


 最後に、在宅での医療と介護の連携においては、患者の住環境も忘れてはならない。状態が重くなる終末期医療では、ベッド生活が基本となるため、ある程度の部屋のスペースが必要となる。
 在宅酸素療法等も必要となるケースでは、狭い住環境だと医療機器が置けないこともある。最低でも4畳半程度の個室を患者のために用意する必要があり、退院前に家族と、患者の住環境整備をしておく必要がある。
 医療と介護の連携においては、生活の全環境に配慮していかなければ、実際のケアは難しくなる。その意味では、要介護高齢者の生活全般の支援者であるケアマネジャーが、医療と介護の連携のキーマンといえる。

※ この記事は月刊誌「WAM」平成26年6月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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