ボランティアが力を発揮できるよう支援し、人や組織、地域を結びつける
しごとの内容
市民のボランティア活動を支援し、「ボランティア活動をしたい人」と「ボランティアを求めている人・組織・地域」を結びつける役割を担う人材・スタッフです。社会福祉協議会のボランティアセンターや民間のボランティア協会、あるいは福祉施設、病院などで従事しています(他の職種との兼務していることもあります)。
ボランティアコーディネーターには、基本的に次の8つの役割が求められます。
1.受け止める 市民・団体からの多様な相談の受け止め
2.求める 活動の場やボランティアの募集・開拓
3.集める 情報の収集と整理
4.つなぐ 調整や紹介
5.高める 気づきや学びの機会の提供
6.創り出す 新たなネットワークづくりやプログラム開発
7.まとめる 記録・統計
8.発信する 情報発信、提言、アドボカシー
現在、「ボランティアコーディネーター」には決められた資格制度や独占する業務はありません。各々の組織や個人の意思と判断で“ボランティアコーディネーター”を名乗って職務に従事している状況にあります。
主な職場
社会福祉協議会(社協:ボランティアセンター)、民間のボランティア支援団体、NPO支援センター・大学ボランティアセンター、NPO法人・NGO団体、高齢者施設や児童施設などの社会福祉施設、病院、博物館、図書館、学校、青少年教育施設、生涯学習センター、公民館、自治体、企業、まちづくり協議会など
将来性
ボランティアコーディネーターは、日本ではまだ専門的な職業としての認知は十分広がっていませんが、社協のボランティアセンターや民間ボランティア協会、福祉施設や病院などでは知られるようになっています。ボランティアコーディネーターの名称を使っていなくても、実際にボランティアを調整するしごとをしている人は多くいます。その活動の必要性や重要性が高まるなか、活躍の場は広がっていくと見込まれます。
専門性の評価
ボランティアコーディネーターにはとくに資格はありませんが、日本ボランティアコーディネーター協会により「ボランティアコーディネーション力検定試験」が実施されています。3級から1級まであり、試験の開催月は年度や級によって異なります。協会の行う「主催検定」のほか、各地の主催団体と共催で行う「共催検定」があります。主催検定は東京や大阪で行われますが、共催検定はその他の地域でも開催されます。
試験の申し込み方法については日本ボランティアコーディネーター協会ホームページを参照してください。
<ボランティアコーディネーション力検定>
3級
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ボランティア、ならびにボランティアコーディネーションに関する基礎的な知識を理解できている
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2級
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ボランティア、ならびにボランティアコーディネーションに関する知識を実務に応用する力を身につけている
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1級
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ボランティアコーディネーション力を使って、社会課題解決に向けた有効で実行可能な方策を提案できる力を身につけている
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合格者数
1級:110人、2級:787人、3級:6,390人(2023年12月現在)
出典:「ボランティアコーディネーション力検定」|日本ボランティアコーディネーター協会
(https://jvca2001.org/vco_kentei/success/success_results/)
勤務形態
職場によって異なり、常勤、非常勤、また、専任、兼任のいずれかなど立場もさまざまです。もっとも、団体によっては人事異動で他の部署に移る可能性があるため、継続的にボランティアコーディネーターの業務に就けるわけではありません。また、病院や高齢者施設などで他の職務を兼任する場合、夜勤を担当することもあります。
給与水準
職場や勤務形態によって異なります。たとえば社協に正社員として勤務する場合、月収は20〜30万円が目安となります。
関連団体・組織
地域福祉・ボランティア情報ネットワーク(全国社会福祉協議会地域福祉部/全国ボランティア・市民活動振興センター)
https://www.zcwvc.net/
特定非営利活動法人日本ボランティアコーディネーター協会
https://jvca2001.org/