エネルギー使用状況の実態把握
省エネルギー推進の第一歩は、「エネルギー使用状況の実態把握」です。すなわち、事業所で年間「どれだけの量の電気やガス、上水」を使用しているのか、「支払い料金」はいくらか知っておくことが必要です。まず月単位では、毎月の各請求書からエネルギー使用量やエネルギー費を表にし、それから「グラフ化」します。下図にグラフ化したサンプルを示します。これが正に「見える化」になります。
さらに、用途別に(例えば、空調、照明、コンセント電力等)、または機器別に(例えば、熱源機器、ポンプ・ファン、空調機器、照明器具等)エネルギー使用量のデータ収集を行い、それらを「グラフ化」⇒「見える化」すれば、「エネルギー使用状況の実態把握」を精査できます。
次に、1 日単位では1 時間ごとのエネルギー使用量(特に電力使用量)を計測し「見える化」します。そうすることで24 時間の負荷曲線が描かれて、1 日のエネルギー使用量の推移を把握できます。これらの計測方法は、BEMS(後述)にて計測センサーをブレーカーごとに設置し、WEB にデータ収集して行います。
見える化の必要性
下の写真は東京都内の高齢者介護施設の事例です。「見える化」を実施し、施設内の掲示板に貼り出しています。そして、誰でも見ることができる状況です。これらの「見える化」により、
@ 建物のエネルギー使用の特性を知ること、
A エネルギー使用のピークの原因を探すこと、
B 省エネルギーの余地を確認する、すなわち無駄を見つけること、
C 設備の異常を見つけることなどが可能となるのです。
エネルギー監視システム
「見える化」を実施するにあたって多くのエネルギーデータを収集し、一元管理することが必要になってきます。省エネ法では、設備新設にあたっては、「電気を使用する設備や空気調和設備等を総合的に管理し評価をするためにBEMS の採用を考慮すること」となっています。このBEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)を導入することで、現在のエネルギー使用状況を正確に把握し、どこに無駄があるかを正しく認識することが可能となります。
※ この記事は月刊誌「WAM」平成25年6月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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