連載コラム
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傷の形状 | 他物との接触の仕方 |
擦過傷(広く浅い) | ザラザラしたものに擦れたために、皮膚上に広く細かく傷付く。 |
擦過傷(線状に浅い) | 先の尖ったものに軽く触れたため皮膚が細長く浅く傷付く。 |
裂傷(線状の深い傷) | 尖ったもので強く引っ掻いたため皮膚がえぐれ、皮膚の剥離も起こる。 |
裂傷(裂け傷) | 打撃・ねじれ・皮膚の引きつりなどにより皮膚が裂ける。皮膚の剥離も起こる。 |
切創(切り傷) | ナイフなどの鋭利な刃物で切ったための傷で創面が滑らか。 |
刺し傷 | 針などの尖ったもので刺されたために、皮膚に細い穿孔ができる。 |
■内出血の形状と衝突物の推定
内出血の形状 | 他物との接触の仕方 |
小さくくっきりしている | 先の尖ったものに衝突してできた内出血、皮下の浅い部分が出血する。 |
広くぼんやりしている | 丸みのあるものに衝突してでき内出血、皮下の深い部分が出血する。 |
比較的細くくっきりしている | 挟んだり、つねるなどしてできた内出血、皮下の浅い部分が出血する。 |
上記のように、傷やアザを放置しないでできる限り家族に説明することは大切ですが、この事故が国民健康保険団体連合会への苦情申立になった原因は施設長の対応です。家族は施設に苦情申立をしたのですから、たとえどのような内容であっても対応する義務があります。では、なぜ施設長はこのような感情的な対応をしてしまったのでしょうか? それは、管理者用のマニュアルがないからです。どの業界や会社でも社員の不正が疑われるというクレームは発生するので、その対応方法は必ず管理者用のマニュアルに書いてあるのです。介護業界ではコンプライアンスなどに関わる、管理者用の危機管理マニュアルがないことが大きな問題です。各施設では、管理者用のマニュアルを作成しておくことが必要です。
※ この記事は月刊誌「WAM」平成27年4月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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