第2回:「ケアプランデータ連携システム」の導入から操作の手順について
公益社団法人国民健康保険中央会では、2023年4月より「ケアプランデータ連携システム」の運用を開始しています。前号では、「ケアプランデータ連携システム」の3つのメリットについて紹介しました。本号では、本システムの導入から操作までの一連の手順について説明します。
システム導入手順について
「ケアプランデータ連携システム」を導入される方は、まずヘルプデスクサポートサイトの「お知らせ一覧」をご覧ください。事業所の皆さまにみていただきたい重要なお知らせや最新情報がまとめられており、本システムを導入予定の方向けに導入フロー及び利用申請事前チェックリストを準備しています。ここに示された7つの導入手順を行うことで準備は完了。導入に不安な方も着実に導入が可能です。
@ 介護ソフトの対応状況確認
A 導入端末、ネットワーク環境の準備
B ユーザID・パスワードの確認
C 電子証明書のインストール
D システムの利用申請
E システムのインストール
F ライセンス料のお支払い
ケアプランデータ連携の操作手順
次に、介護ソフトからケアプランデータをやり取りする流れについて説明します。ケアプランデータ連携システムに対応した介護ソフトには、作成した提供票・計画書をCSVデータで出力または取込みを行うケアプラン連携機能を保有しています。ご利用されている介護ソフトでケアプランデータ連携機能の操作がわからない場合、介護ソフトベンダーまでご相談ください。介護ソフトの一例としてケアコネクトジャパン社のケアカルテを参考に、介護ソフトでの提供票のCSVデータ出力からケアプランデータ連携システムを通じたデータ送信までの流れを紹介します (図1・図2)。
【居宅介護支援事業所での手順】
@ 介護ソフトで提供票の作成・CSVファイルの出力
居宅介護支援事業所では、介護ソフトにて提供するサービスを入力し提供票(予定)を作成、ケアプラン連携機能のCSVファイル出力を選択します。
A 連携システムにCSVファイルをアップロード
出力先フォルダに格納されたCSVファイルをマウスでドラッグ&ドロップし、ケアプランデータ連携システムに取り込みます。
B 連携システムで送信先事業所に一括送信
送付する介護サービス事業所が自動的にセットされますので、メッセージなど追加で必要な内容を追記し、送信ボタンを押下するだけでケアプランデータの送付は完了です。
【介護サービス事業所での手順】
C 連携システムでケアプランの受信
介護サービス事業所では、居宅介護支援事業所から送られてきたケアプランデータを受信します。
D 連携システムからCSVファイルダウンロード
受信したケアプランデータからCSVファイルを出力先フォルダにダウンロードします。
E 介護ソフトにCSVファイル取込み・提供票の追記
介護ソフトのケアプラン連携機能で、CSVファイルを提供票(予定)として取込み、サービス実績情報を追記するだけで提供票(実績)の作成作業は完了です。
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図1
介護ソフトで提供票の作成・CSVファイルの出力
図2
ケアプランデータ連携システムでCSVファイルのアップロード・一括送信
「ケアプランデータ連携システム」の機能拡充対応
現在提供している「ケアプランデータ連携システムV1版」では、介護ソフトとCSVファイルでデータ連携を行っていますが、次期提供予定の「ケアプランデータ連携システムV2版」では、介護ソフトとアプリケーション連携し、利用者がCSVファイルを意識せずにケアプランデータのやり取りができるようになります。
今後、ケアプラン標準仕様の拡充に伴い、介護予防支援への対応や居宅サービス計画書第3表、福祉用具のTAISコード対応などが予定されており、順次改訂対応を進めているところです。
よくあるお問いあわせ
介護事業所からいただくよくあるご質問をご紹介します。
Q.システムをまだ近隣の事業所が導入していない。すぐに導入しても手間が増えるだけでは?
A.今まで紙ベースで行っていた提供票、計画書のやり取りが大幅に削減されます。つまり、1事業所でもデータ連携すれば、その分の作業の削減につながります。
Q.利用している介護ソフトがケアプラン標準仕様の対応時期や連携方法が未定なため、導入できない。
A.業界各社の協力で整備したケアプラン標準仕様であり、ご利用の介護ソフトベンダーに早急な対応をご依頼ください。
Q.ケアマネジャーだけにメリットがあるシステムなのでは?
A.サービス事業所はケアマネジャーが作成した提供票(予定)を直接データで取り込むため、二重入力の手間が大幅に削減されます。
最後に、介護分野の第一人者である国際医療福祉大学大学院の石山麗子教授と、システム稼働当初からご利用いただいている株式会社トライドマネジメントの長谷川徹代表から推奨のお言葉をいただいています(図3)。
これらのご意見も参考に「ケアプランデータ連携システム」の導入をぜひともご検討いただけますと幸いです。
図3 推奨の言葉
(参考:
ケアプランデータ連携システム − インタビュー − |ケアプランデータ連携システム ヘルプデスクサポートサイト)
※ この記事は月刊誌「WAM」2023年12月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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