トップ背景

トップ

高齢・介護

医療

障害者福祉

子ども・家庭

知りたい

wamnetアイコン
検索アイコン
知りたいアイコン
ロックアイコン会員入口
トップアイコン1トップ |
高齢アイコン高齢・介護 |
医療アイコン医療|
障害者福祉アイコン障害者福祉|
子どもアイコン子ども・家庭
アイコン



勤怠管理システム・勤務シフト作成支援システム
福祉医療広告

高齢・介護
医療
障害者福祉
子ども・家庭

福祉医療経営情報
トップ

介護現場でのICT活用
〜企画・導入・運用〜


 全12回に渡って、介護施設でのICTの導入における企画・導入・運用のポイントについてをお届けします。


<執筆>
 社会福祉法人善光会 理事 宮本 隆史 氏


第11回:LIFE導入&運用による介護DXと科学的介護

LIFE導入&運用方法のポイント

 LIFEシステムの介護保険における運用がスタートし、本年(令和5年度)で2年が経過しました。令和3年度のシステム運用開始当初はさまざまなトラブルで混乱が生じ、導入の拡大は当初想定より遅れをとりましたが、2年が経過し、LIFEや科学的介護というキーワードが一般的になったほど浸透してきたと思います。とはいえ、他の加算や提供サービス、スタッフの運用などの兼ね合いで、未だにサービス導入は検討中という事業者も多いことと思います。

 善光会では開始当初からLIFEに関連する加算を積極的に取得しています。改めてLIFE導入におけるポイントをいくつか紹介していきましょう。


@ 取得する加算と運用におけるデータ作成方法の検討

 LIFEシステム入力が必要な該当加算項目を取得する場合、必要なデータ類をとりまとめ、LIFEシステムに請求対象月翌10日までに入力し、提出する必要があります。この翌月10日という〆日は現行の介護保険請求における国保連請求の〆日と同一なので、事務作業を行ううえではわかりやすいでしょう。


A LIFE登録・導入において知っておきたいノウハウの収集

≪PCやインターネットに関する基礎知識の習得と環境整備≫

 まず、LIFE運用を始めるに当たっては、必ずPCが必要になります。2023年現在においては、対応OSはWindows10 もしくはWindows11、ブラウザはMicrosoft Edgeに限られますので、その構成を満たしたPCを最低1台は用意する必要があります。

 LIFEは介護データという個人情報を扱うため、ブラウザの暗号化キーという仕組みを使って情報の暗号化を行います。そのため例えば、PCを買い替えるなどをしたときは、この暗号化キー情報を含んだバックアップファイルを適切に引き継ぐ必要があります(PC紛失などのリスクを考えても、このバックアップファイルは定期的にどこかに保管しておくことをお勧めします)。また、LIFEシステムのログインはブックマークからではなく、初期設定時にデスクトップに表示されるショートカットからログインする必要があるなどのポイントを押さえておく必要があります。

≪LIFEにおけるデータ登録を踏まえた仕組みの構築≫

 LIFEの登録申請をした後に発行されるアカウント情報は、管理ユーザーのアカウントとなります。これは事業所に1つしか発行されません。管理ユーザーの役割は、スタッフ情報(操作職員、記録職員)及びご利用者情報(介護サービス利用者情報)の入力など、人に関する情報の入力が主な役割になります。

 一方、LIFEの一番肝となる介護情報の入力は操作職員が担います。LIFEにおける運用では管理ユーザーと操作職員が明確に分かれていますが、小規模な事業所などはPCの台数や、操作できる職員も限られると思います。LIFEを入力操作する職員が1人しかいない場合は、管理ユーザーであっても様式情報は入力することができるので、操作職員をとくに追加する必要はないでしょう。

 一方、操作職員を複数設定する場合には注意が必要です。それを管理ユーザーが管理するという構成ですので、操作職員の登録時には暗号化キー(LIFE上は、一時パスコードという名称です)を発行するため、操作職員が最初にLIFEシステムを取り扱う際に、操作する自分のPCに一時パスコードを管理ユーザーから受け取り、登録する必要があります。


B LIFEシステムを踏まえた日々の業務運用

 以上のようなLIFEの運用注意点を踏まえると同時に重要なのは、LIFEを運用する体制を整備することです。PCを用意する、LIFEへの利用開始を申請するだけではLIFE運用は始まりません。どのタイミングで適切なアセスメントをするか、ご利用者ごとの計画書作成はいつから行うのか、主担当は誰か、紙(帳票)・タブレットでどこまで運用するのかなど、管理者・スタッフ・ご利用者も含め、業務の流れを今一度整理し、無理のない範囲で業務運営を行えるように、また事業所全員がその流れを理解するようにしていきましょう。

 最後に、LIFE関係加算の提出方法について触れておきましょう。LIFEの入力に関しては、本節で述べたような直接入力する方法や、前節で触れた外部のLIFE対応ソフトを使って入力するなどの方法があります。そのどちらの方法でもよいですが、サービス該当月の翌月10日までに該当のサービス利用者の情報(一部加算に関しては、退所者における退所日時点の評価情報)をLIFEシステム上に登録し、確定状態にしておく必要があります。

 また、LIFEシステムで直接運用している場合では、更新月に前時点での評価情報をコピーして、変更点のみ編集すればよいので、一度入力してしまえば、後は簡単に運用できることも前知識として押さえておきましょう。

LIFE活用による介護DXと科学的介護のポイント

 介護の現場でIT化を進めなければいけないという風潮が世間一般にありますが、これは正解のようで実はそうでもありません。例えば、慣れないPCやタブレットを導入し、操作もよくわからない介護ソフトを無理に導入するのでは、IT化の本来の意味合いである効率化・省力化は実現できません。IT化によって、残業時間が短くなるなどの業務時間の削減や、紙で発生していたような二重記載が省けたなどの目に見える業務変革を目標に進めることが重要なのです。こうした業務変革から見直すIT化の進め方を、昨今ではDX(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)と呼びます。実はLIFEシステムは、それ自体で介護ソフトとして使えるものになっており、こうした介護DXを促せるツールにもなっています。

 例えば、図はLIFEのメインとなっている科学的介護推進に関する評価の入力画面ですが、ADLや起居動作などの評価情報、既往歴や服薬の情報を簡単に登録することができます。介護記録を紙やExcelで運用している事業所にとっては、LIFEを活用することで介護ICT導入の一歩にもなるのです。また、計画書関連の情報(栄養ケア計画、リハビリテーション計画書、個別機能訓練計画書など) は、厚生労働省指定の標準様式にPDFダウンロードできるので、そのまま印刷すればご利用者への説明用に活用できます。 表

 また、現在は科学的介護推進などのアセスメント系の評価情報については、LIFEから直接出力することができませんが、厚生労働省は令和3年夏より、LIFE運用を開始している事業所に対してフィードバック情報(※)を配信し始めました。令和3年秋の段階では、事業所ごとの介護度・年齢などの統計情報のみですが、令和4年度より介護サービス利用者ごとに、全国の標準的なアセスメント統計との比較など、より詳細な情報が含まれてきました。現在、このフィードバック情報を活用して、ご利用者レベルでは次の介護計画の検討や各種カンファレンスで利用、事業所レベルでは運用サービスによる効果測定で使用する事業所も増えてきています。

※…フィードバック帳票の見方は少し難しいところもあるので、ご興味ある方は、LIFEマニュアルもしくは検索サイトなどでLIFEフィードバック活用というキーワードで検索していただくと、さまざまな活用例が出てきますので、これらを参考にされるのもよいでしょう。

※ この記事は月刊誌「WAM」2023年4月号に掲載された記事を一部編集したものです。
月刊誌「WAM」最新号の購読をご希望の方は次のいずれかのリンクからお申込みください。

ページトップ