更生保護 〜 一人ひとりにできる立ち直り支援 〜
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高齢で、身寄りがなく、地域において孤立した状態で万引き等の犯罪を繰り返す人がいます。年金が受給できないことによる生活苦から食料品を万引きする人もいれば、経済的な不自由がないにも関わらず、自らの寂しさを埋める目的で窃盗をする人もいます。そのような人たちが社会で犯罪をせずに暮らしていくためには、国の施策による指導監督や、高齢者支援の観点による地方公共団体の各種行政サービスに加え、日常生活において、本人を孤立させないようにする働き掛けや、困った時にはいつでも相談に乗るといった相談支援活動が求められています。
例えば、本人と定期的に接触し、本人の話を傾聴する話し相手となったり、行政による支援では手の届きにくい日常生活の困りごとに関する相談に乗ったり、本人のニーズを、必要に応じて行政機関に橋渡しする等のきめの細かい支援を行うことが考えられます。
犯罪をした人の中には、その背景に、精神障害・知的障害・発達障害があるなどして、本人なりに努力はしているけれども、社会になじんで他者と適切な関係を築いていくことができず、生きづらさを抱えている人たちがいます。行政機関による各種障害者に対する福祉サービスは充実していますが、そのような人たちは、他者に適切な相談ができず、自らの生活課題からくるニーズを自分で的確に把握できなかったり、把握できていてもそれらを適切に表明できないなどの理由で、サービスにつながらないまま更に孤立を深め、犯罪に至る人もいます。
そのような人たちが犯罪をせずに暮らしていくためには、国と地方公共団体が連携し、それぞれのニーズに合ったサービスを調整することで円滑な社会復帰を図っていく必要がありますが、そのためには、本人の日常的な生活課題を共に把握し、そのニーズを必要に応じて行政の窓口につなぐ支援、また、行政でも対応しきれない細かな課題を、本人の相談に乗ることで共に解決していく支援を行うことが求められます。
非行をした少年の中には、生育環境が過酷であったり、先輩や同年代の人からいじめを受けていたりして、家庭にも学校にも居場所を見いだすことができず、不良交友に走る人がいます。そのような少年の中には、不良交友において友人から勧められ、現実から逃避する目的で覚醒剤等の違法薬物を使用する者もおり、比較的若年時からそのような薬物の影響を受けると、その後社会復帰していくに当たっては、薬物のない生活を送るための様々な支援が必要となります。
国の施策による、薬物依存に対する専門的な処遇、行政サービス等による福祉的・医療的な観点からの支援に加え、例えば、薬物の背景にある家庭環境を改善するための働き掛けや、家族関係に関する相談支援、学びを途絶えさせず、多様な進路の選択肢を失わないようにする学習支援や就労支援等、日常生活において本人を孤立させず、将来に希望を持たせるような支援を行うことが考えられます。