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ケアマネジャーのしごとガイド

1.実務研修受講試験からの流れ

1.実務研修受講試験からの流れ
介護保険制度の根幹を支えるのがケアマネジメントであり、それを担う職種が介護支援専門員(ケアマネジャー)です。介護支援専門員になるには、どうすればよいのでしょうか。試験に合格し、実際に業務に就くまでの流れを追ってみましょう。
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まずは実務研修受講試験に合格することが必要

介護支援専門員としてケアマネジメント業務を行うためには、介護支援専門員証の交付を受ける必要があります(介護保険法第7条第5項)。介護支援専門員証の交付を受けるまでには、いくつかのプロセスを経る必要があります。

まず、業務に関する基礎的な知識や技術が備わっているかを確認するための試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に合格することが必要です。介護支援専門員実務研修受講試験を受験するにはいくつかの要件があります。例えば社会福祉士・介護福祉士・看護師等の国家資格を取得したうえで実務に5年以上従事した経験があることや、相談・援助業務や介護サービスなどの直接的な援助業務に5年以上従事した経験などが必要となります。

介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は、平成30年は10.1%、令和元年は19.5%、令和2年は17.7%、令和3年は23.3%と、おおむね10〜20%で推移しています。

合格後は、実務研修を受講する

介護支援専門員実務研修受講試験に合格すると、次のステップとして都道府県ごとに行われる「介護支援専門員実務研修」の受講と、都道府県への登録が必要になります(図1)。試験の合格者に送付される合格通知には、「介護支援専門員実務研修の受講手続き」が記されているので、それに従って実務研修を受講する必要があります。

実務研修は、「介護支援専門員として必要な知識、技能を有する介護支援専門員の養成を図ること」を目的としています。具体的には、介護サービス計画(ケアプラン)の作成やモニタリングの実施など、ケアマネジメントに関するさまざまな業務に関する専門知識や技術を学習します。さらに実際に居宅介護支援事業所等で、介護支援専門員の業務の見学実習も行います。

実施時期は都道府県によって異なりますが、研修は国が定めたカリキュラムにそって実施されます。国が定めたカリキュラムでは、研修時間は合計87時間以上と示されています。通常は前期・後期に分けて実施されます。

研修は、介護支援専門員指導者や大学教員、県・市区町村等の行政担当職員等や介護支援専門員職能団体等の先輩介護支援専門員が講義を行います。

実務研修を修了すると、各都道府県で介護支援専門員の「登録」を行うことができます。そのうえで、都道府県知事に対して申請を行うと、「介護支援専門員証」が交付されます。これを手にすることで初めて介護支援専門員の業務を行うことができます。

介護支援専門員になった後の各種研修

実務研修を修了し介護支援専門員になった後も、業務を継続するために定期的に受けなければならない研修や、義務ではありませんがスキルアップのために受ける研修があります。

介護支援専門員証の有効期間は5年です。介護支援専門員の業務を続けていくためには、5年ごとの有効期間内に更新研修を受けて、その都度新しい介護支援専門員証の交付を受けることが必要になります。

更新研修は、介護支援専門員証の有効期間内に実務に就いたことがある人については、原則88時間となります。ただし、実務未経験者は実務研修と同内容の54時間以上、実務経験者として介護支援専門員証の交付が2回目以降となる人は32時間以上と、実務経験の有無や長さによって研修内容が変わってきます。

なお、有効期間満了までに実務に就かなかった人や更新研修を受けなかった人は、介護支援専門員証がいったん失効するため、更新研修ではなく再研修(54時間以上)を受けることになります。

義務づけられている更新研修のほかに、介護支援専門員の資質向上のための現任者向け研修も設けられています。現任者向け研修は2段階に分かれ、@実務就業後6か月以上の人を対象とした「専門研修T(56時間以上)」、A実務就業後3年以上の人を対象とした「専門研修U(32時間以上)」となっています。このうち、介護支援専門員証の有効期間内に、@の専門研修T、Aの専門研修Uを受講した人は、更新研修の一部もしくは全部が免除されます。例えば、TとUの両方を受講した場合には、更新研修がすべて免除され、そのまま介護支援専門員証の更新申請をすることができます。

この現任者研修をすべて受講した「実務経験5年以上」の人は、介護支援専門員の上級資格である主任介護支援専門員になるための研修(「主任介護支援専門員研修」(70時間以上))を受けることができます。主任介護支援専門員になると、介護支援専門員に対して指導や助言などを行うスーパーバイザーとしての業務を担ったり、地域包括支援センター業務に就くことができるなど、より幅広い職務にかかわることが可能になります。

また、平成28年4月1日より研修課程の見直しが行われ、「主任介護支援専門員更新研修」(46時間以上)が新たに創設されました。

主任介護支援専門員は、地域包括ケアシステムの構築や地域包括ケアの推進から、求められる役割がより大きくなっていくことが考えられます。

そこで、「主任介護支援専門員更新研修」の受講を課すことにより、主任介護支援専門員として求められる役割を十分に果たすための継続的な知識や能力、資質の向上を図っています。

監修者
中村雅彦(JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院 居宅介護支援事業所)

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