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ケアマネジャーのしごとガイド

6.サービス担当者会議

6.サービス担当者会議
 ケアプラン原案を作成し、サービス調整を行った後、サービス担当者を集めてケアプランの内容を検討する会議を開きます。このサービス担当者会議は、利用者の状態像の変化などにより、ケアプランを変更する際にも開きます。会議開催のポイントをあげてみます。
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サービス担当者会議の基本

 サービス担当者会議は、ケースにかかわるサービス機関が一堂に会する貴重な場であり、チームケアを進めるうえで欠かせないものです。ケアマネジャーはここで、関係者を招集したり、司会進行を行うなどの重要な役割を担います。全体のまとめ役を務めることが求められるため、サービス担当者会議は苦手というケアマネジャーも多いようですが、まずは基本をおさえたうえで、円滑かつ有意義な場になるための努力をしましょう。

1.会議の席順

一般的なビジネスマナーにおける会議室での席次は以下のとおりです。

原則、司会(ケアマネジャー)は入口から最も遠い席に座ります。@〜Gの入口から遠い順に上座から下座になっていきます。ただし、これはあくまでも基本です。利用者宅で開催される場合はこの限りではありませんし、会議室等で行う場合でも、利用者や家族の緊張を防ぐために、ケアマネジャーが隣に座ったほうがよい場合もあります。また、お互いが初対面となる参加者がいる場合、緊張感を解くために当事者同士が正面で向き合うことは避けるといった気遣いも必要です。特にポイントとなる意見を出してもらいたい参加者(例えば、居宅での療養が大きな課題となっているケースでの訪問看護の看護師など)には、顔の見えやすい位置に座ってもらうことも意識しましょう。いずれにしても、会議をスムーズに進行できるような席順を事前に考えておくとよいでしょう。

2.司会進行において気を付けること

司会役を務めるケアマネジャーは、うつむいたまま進行メモを読み上げるようなことは避け、利用者が理解しやすいよう、専門用語を使わずにゆっくり、わかりやすく、はっきりと話すように心がけます。

参加者が発言しやすい雰囲気をつくることも大切です。「スムーズな進行」を意識するあまり、司会であるケアマネジャーが一人で話し続けてしまうと、他の参加者が発言のタイミングを失ってしまいます。司会としては、意識して間をとり、参加者の様子をうかがいながら進めていきましょう。 参加者からの発言は歓迎すべきことですが、検討しているテーマから話が大きく逸れないようにコントロールすることも司会の大切な役割です。例えば、「皆さんお忙しいなか集まっていただいていますので、発言はなるべく手短かにお願いします」という具合に最初に告げておくのも一つの方法です。また、一つの発言に対して他の人が意見を述べやすいよう、発言者の論点をまとめつつ、「この点についてはどうでしょうか」という具合に参加者に発言をうながしていくのも有効です。

サービス担当者会議の具体的な進め方

1.事前準備

参加者がベテランのサービス担当者ばかりだったりすると、特に新人のケアマネジャーはサービス担当者会議に大きな不安を抱きがちです。しかし、そうした不安も事前準備をしっかりすることで、ある程度回避できます。

まず、参加者を招集する際、会議の開催目的を具体的に伝えましょう。「ケアプラン変更」が目的であったとしても、具体的に「どんな変更が必要になるのか」「その背景にはどんな状況があるのか」「参加者にどんな知恵を求めたいのか」といった点をメールやFAXなどの文書も使ってしっかりと伝えます。こうすることで、参加する側の目的意識や「何を準備したらよいか」が明確になり、活発な意見が出やすくなります。

日程調整も頭を悩ますところですが、どうしても全員の調整がつかない場合、「会議の主たる論点」に欠かせない人の日程を最優先します。例えば、利用者の身体機能低下にともなう課題が中心となる場合、リハビリの担当者を最優先にするといった具合です。

招集が済んだら、開催前日までに、頭の中で当日の会議をシミュレーションしてみましょう。時間配分の見積もり、進行メモの作成、座席の配置などを考えることも重要です。

2.会議の進め方

サービス担当者会議は、おおむね次のように進めます。

@開始の挨拶

開会の挨拶のなかで、今回の会議の目的を説明します。このとき、終了時刻をあらかじめ伝えておくと、参加者の集中力を途切れさせることなく、効率的な会議運営がしやすくなります。

A参加者紹介

初回の場合や初めての参加者がいるときは、簡単に自己紹介をしてもらいます。全員がすでに顔を合わせている場合でも、司会が参加メンバーを一通り紹介しましょう。

B各議題の検討

レジュメや資料をもとに議題を検討します。このとき、「何かありますか」という具合に漠然と意見を求めるのではなく、ケアプラン原案の内容などを具体的に説明したうえで、各専門職からの見解をもらうようにします。

一般的な担当者会議の議題は次のとおりです。

1.利用者のアセスメント情報の説明と情報の共有

2.アセスメント情報の適切さに関する意見交換(内容の妥当性の検討協議)

3.計画を実行することに関する意見交換(支援の実行性の検討協議)

4.福祉用具の必要性(継続利用の必要性)の協議

5.総合的な援助の方針の検討

6.想定される緊急事態と、それへの対応策の協議

7.個別援助計画提出以来、その他連絡事項

8.次回開催予定等 閉会

C各議題のまとめと利用者・家族の意向確認

議題ごとにケアマネジャーがまとめを行い、そのつど利用者・家族に意向を確認します。利用者・家族に迷っている様子が見られたときは、当人が懸念していると思われるポイントについて「こういう点は大丈夫ですか?」と確認し、思っていることを話していただきましょう。

D会議全体のまとめと課題の整理

各議題について話し合われたことをまとめ、参加者全員に最終確認をとります。会議のなかで新しい課題や持ち越す課題が出てきた場合には、各担当者から後日報告をもらうようにします。

E閉会の挨拶

集まってもらったことへの謝意を述べ、次回の開催が決まっていれば日程を知らせます。

3.アフターフォロー

終了後は、利用者・家族に対するねぎらいの言葉を忘れないようにしましょう。また、何をどう話し合ったのか簡潔にまとめた担当者会議記録については、必要に応じて関係者に配布します。

サービス担当者会議での「よくある悩みや疑問」

サービス事業所によっては、サービス担当者会議に「管理者的な立場の人」しか参加してもらえません。ケアマネジャーとしては、直接サービスを提供している現場の担当者から具体的な情報をもらいたいのですが、現場の担当者に参加してもらうにはどうすればよいでしょうか。

サービス担当者会議では、「管理者のみ」が参加するケースがよく見られます。現場の担当者から情報をもらいたい場合は、その事業者に対し、「この課題について、こういう情報が必要である」ことを伝えたうえで、「(現場担当者である)○○さんの出席をお願いしたいのですが」と、率直にお願いしてみましょう。

それでもなかなかかなわない場合は、ケアマネジャー自らがサービス提供現場へ会議前に足を運び、現場の担当者から必要な情報を直接聞き出しておきます(この場合でも、管理者には事前に話をとおしておきます)。そのうえで、聞き出した情報を会議の資料に加えておくという方法もあります。

監修者
中村雅彦(JA長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院 居宅介護支援事業所)

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