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目次
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子どもへの虐待などの相談にのり、子どもを保護したりします
子どもをめぐるさまざまな問題に対応するのが児童相談所です。
たとえば、家庭での虐待や両親の離婚によって子どもが健やかに育つ環境が損なわれたり、子ども自身が非行に陥ったり、不登校になったりするなど、幅広いケースの相談に対応します。ただし、児童相談所だけでは対応するケースが増えすぎるため、最近では役所と分担しながら、児童相談所は主に虐待対応に力を入れています。
相談が寄せられると、児童相談所は虐待などについて必要な調査を行い、子どもを一時的に保護したり、保護者に事情を聞きながら指導を行ったりします。
さらに、保護した子どもが児童養護施設など適切な場所で過ごせるように手配したり、子どもを預かり親に代わって養育する「里親」に託したりします。
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家庭や学校、福祉事務所などさまざまなところから相談が寄せられる
子どもたちをめぐる問題に関係していれば、誰でも相談を寄せられます。子ども本人、一般の家庭の人、学校の教師や福祉事務所・保健所の職員などさまざまな人から相談が寄せられます。
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虐待などの相談にのる人、子どもの心や健康をチェックする人
子どもをめぐる問題について、さまざまな相談にのる人をソーシャルワーカーといい、児童福祉司や相談員が対応します。2024年4月からの新たにスタートする資格、こども家庭ソーシャルワーカーも活躍することが期待されています。
そのほかにこんな人も!
児童相談所で働く児童福祉司の場合
基本的に日中の勤務で、原則夜勤はありませんが、子どもへの緊急対応にかけつけるなど、突発的なことが起こったときは時間にかかわらず対応することもあります。
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- 9:00
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出勤、関係機関からのメールをチェック「子どもが虐待を受けている」という地域の人の電話や学校・福祉事務所からの連絡メールをチェック
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- 9:30
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寄せられた相談内容について、職員間で打ち合わせワンポイント解説寄せられた相談内容を他の児童福祉司や児童心理司などに報告。スーパーバイザーの児童福祉司が相談内容を整理し、対応について指示を受ける
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- 10:00
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子どもの一時保護所で子どもAさんと面談医師や保健師と一緒に、先日虐待を受けて一時保護された子どもAさんの健康状態をチェック
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- 10:30
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Aさんの心理検査などを実施ワンポイント解説児童心理司がAさんと面談。心理検査などを行い、心の状態を調べる
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- 12:00
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昼食、休憩
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- 13:00
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Aさんについて児童相談所内で会議児童心理司から現在の心の状態の判定などを聞き、職員全体で今後についてどのような対応が必要かを話し合う
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- 14:00
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児童養護施設に出向き、Bさん・Cさんについて打ち合わせすでに施設への入所が決まっている子どもBさん・Cさんについて、現在の体や心の状態などの情報を伝える
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- 15:00
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児童心理司とAさんの親のもとを訪れ面談ワンポイント解説児童心理司も同行し、虐待をしてしまった親の話を聞き、虐待の背景にある心の状態などを調べる
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- 16:30
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Aさんの援助計画を作成ワンポイント解説児童心理司やスーパーバイザーの助言を参考に、Aさんが安全・安心して過ごすために何が必要かを考えて計画を作る
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- 17:30
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Aさんをめぐる地域の関係者会議に出席作成した計画を持参し、Aさんをめぐる保育所、施設、役所などの関係者と話し合う
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- 19:00
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終業
子どもの非行や不登校などの問題にも対応するが、現在では役所と分担し、虐待への対応が中心となっている
子どもを一時的に保護したり、児童養護施設への入所や里親を探すなど、その子どもに一番適した援助のあり方を探る
虐待をなくすには、身近な人たちが子育てなどに悩む親の相談にのる環境づくりも必要。そこに児童相談所がかかわることで、地域の人たちの心強い存在になる
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