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虐待などを受けた子どもや虐待してしまった親の心のケアを行う
家庭で親が育児をやめてしまったり、虐待をしたりした場合、子どもの心には大きな傷が生じます。一方、虐待等をしている親の側も心の問題を抱えていることがあります。こうした中で、保護した子どもの心をケアしたり、再び親子で暮らせる環境に向けて親の心の問題を解決するために、児童心理司は虐待を受けた子どもやその親と面談し、それぞれの心の状態について検査・診断を行います。そのうえで、子どもを保護するための施設利用につなげたり、親と子のそれぞれの援助計画を作成します。
また、心に傷を負った子どもに対して、レクリエーションやカウンセリングなどを通じて、心理的なケアを行うこともあります。
子どもをめぐる問題を多く抱える児童相談所や児童養護施設など
児童心理司は、子どもたちのまわりにあるいろいろな問題に対応する児童相談所や児童養護施設などで、子どもの心の状態を調べたりします。
また、さまざま障がいをもつ子どもたちは、生活のしづらさから心のケアも必要になることがあります。このため、どのようなケアが必要かを考えるうえで、相談支援を行う場などで児童心理司が「心理判定員」として働くこともあります。
児童相談所で働く児童心理司の場合
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- 9:00
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出勤、関係機関からのメールをチェック虐待等から保護された子どもに関する関係機関からの連絡メールなどをチェック
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- 9:30
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寄せられている相談内容について、他の職員と打ち合わせ前日に児童相談所 に寄せられたさまざまな相談内容について、対応を話し合う
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- 10:00
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子どもの一時保護所で担当の子どもAさんと面談ワンポイント解説児童相談所 の職員と一緒に、虐待等を受けて一時保護されているAさんと面談。心理検査などを行いながら、心の状態を調べる
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- 12:00
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昼食、休憩
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- 13:00
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Aさんについて児童相談所内の会議Aさんの現在の心の状態などを伝えつつ、どのような対応が必要かを提案する
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- 14:00
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児童養護施設にBさん・Cさんの心理の情報を提供ワンポイント解説すでに児童養護施設 への入所が決まっている子どもBさん・Cさんについて、判定した心理的な課題などの情報を提供
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- 15:00
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児童相談所の職員とAさんの親のもとを訪れ面談ワンポイント解説虐待を行ったAさんの親の話を聞きつつ、虐待の背景にある心の状態を調べる
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- 16:30
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Aさんについての援助計画を作成Aさんの心の状態を考えたうえで、きちんとしたケアを受けるにはどのような助けが必要かを考えて計画を作る
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- 17:30
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Aさんをめぐる地域の関係者会議に出席ワンポイント解説作成した計画を持参し、Aさんをめぐる学校、施設、役所などの関係者と話し合う
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- 19:00
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終業
子どものケアがうまく行き、心の傷が少しずついえているとき
・心理検査の結果から提案したケアで、施設での暮らしが安定した
・施設で夜泣きなどがひどかった子どもが、夜ぐっすり眠れた
家庭の問題がうまく解決できて、再びの虐待が防げたとき
・親の心のケアを通じて、子どもが家に戻れる見通しがたった
・子育ての悩みへのアドバイスで、親の混乱がやわらいだ
子どもをめぐる関係機関が、問題解決に向けて一丸になれたとき
・虐待の背景にある家庭の問題を、関係者チームで解決できた
・関係者からこちらに、積極的に情報が寄せられるようになった
大学・大学院で心理学等を専門として学び、採用試験に合格する
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