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地域で高齢者などさまざまな人の悩みの相談にのる機関
市区町村や、中学校の学区域ごとに設置されている地域包括支援センターは、高齢者を中心とした地域の人々に対し、さまざまな生活上の悩みの相談にのっています。高齢者の関係では介護相談が多いですが、年の若い障がい者の支援相談や、お金がなくて生活が苦しい人からの相談、さまざまな人の権利が損なわれている疑いがあるときの相談にものります。
このように、生活の「困りごと」があれば何でも相談にのり、必要に応じて専門の相談機関につなげる役割も果たします。
また、一般の人だけでなく、介護支援専門員(ケアマネジャー)からの相談にのったり、助言・指導を行ったりもします。地域のさまざまな困りごとについて多くの専門職が集まり、解決に向けて話し合う会議を開催するのも地域包括支援センターです。
市区町村が直接運営することもありますが、社会福祉や医療にたずさわる法人が運営を任されていることもあります。
生活上の困りごとがある人なら、誰でも相談できる
高齢者だけでなく、生活上の困りごとがある人なら誰でも相談できます。たとえば、「親に介護サービスが必要だが、子どもには障がいがあり、家計も苦しい」など、困りごとがいくつも重なっている場合、役所のどの窓口に行けばいいか迷いがちです。しかし、地域包括支援センターでは、どんな相談でもひとまず聞いて受け付けたうえで、その困りごとの内容を整理し、必要な専門機関につなぎます。
また、介護が必要な状態になりそうな人には、介護予防サービスの調整などをして、介護支援専門員につなぐこともあります。
主に保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員の3職種
健康や介護に関する相談から家計や住まいの相談まで、地域包括支援センターに持ち込まれる困りごとは幅広いので、これらの分野に対応できるように、原則として少なくとも以下の3分野の専門職が働くことが定められています。
A介護分野をカバーできる主任介護支援専門員
B生活上のさまざまな分野をカバーできる社会福祉士
地域包括支援センターで働く主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の場合
主に日中に活動し、当番制で夕方の相談対応にあたります。夜間に勤務することはほとんどありません。
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- 8:30
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出勤、3職種による打ち合わせ対応が進行中のケースについて、改めて情報を確認
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- 9:00
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電話相談を受け付けワンポイント解説電話の先の相談者が混乱しているようだったので、周囲の音が入らないようにし、口を挟まず、じっくり耳を傾ける
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- 10:00
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相談内容を整理して、専門の機関につなぐワンポイント解説自治体が担当する必要があるケースは、役所の担当部署につなぐ
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- 11:00
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介護予防サービス計画の作成について打ち合わせ
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- 12:00
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昼食、休憩
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- 13:00
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午後の来訪相談の受付
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- 14:00
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役所に出向いてサービス利用の代理申請介護保険の利用申請を希望する数名の申請を代理で行う
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- 15:00
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地域の専門職と地域ケア会議を開催ワンポイント解説特別に困っている地域の個別ケースを検討した後、「この地域では○○サービスが足りない」など地域全体で解決が必要なことも話し合う
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- 16:00
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地域の介護支援専門員とともに介護事例検討会ワンポイント解説
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- 17:30
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その日の相談内容の記録を整理どのケースを、どの機関につなぐかなどを整理しておく
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- 18:00
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終業(交替で1時間ほど電話相談に対応)相談者は仕事が終わってから電話してくる場合も多いため、職員は交替で夕方の時間帯の相談に対応する
高齢者をはじめ、地域のさまざまな人の介護や障がい、生活に関する幅広い相談を受け、解決に向けた手立てを尽くす機関
社会が複雑になって人々の困りごとも幅広くなる中、地域包括支援センターが手がける業務の量も大幅に増え、人手不足も課題。最近では業務の一部を、居宅介護支援事業所に任せるよう見直しが進んでいる
相談にのるだけでなく、地域でみんなが安心して暮らせる社会(「地域共生社会」という)になるようにサービスを整えるなど、地域づくりの中心を担うのも、地域包括支援センターの大切な役割
施設などに入所・入居して暮らす
自宅でサービスを利用して暮らす
どう暮らせばよいか相談する
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