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今ある能力で社会生活が送れるよう訓練する
病気やケガにより、あるいは生まれながら体や精神に障がいがある人も、今ある機能をしっかりと使いながら社会生活を送れるように後押しするのが作業療法士です。たとえば、手芸や工芸、遊びなどを通じて手先を使う訓練を行い、日常生活に必要なさまざまな作業が行えるようにしたり、動きなどをサポートするための福祉用具の使い方を指導したり、環境づくりのためのアドバイスを行ったりします。
精神に障がいがある人の場合は、作業を通じて人との関係づくりを図り、社会生活がスムーズに送れるようにします。
病院などのほか、障がいのある子どもたちの施設でも
作業療法士は主に、病気やケガで入院する人がいる病院や、精神や神経の病気で治療を受けている人がいる精神・神経科病院で働いています。また、訪問・通所でリハビリをする事業所に勤めていることもあります。障がいのある子どもたちが、できるだけ社会生活を送れるように訓練する、医療型の児童発達支援センターや、障害児入所施設などでも働いています。
通所リハビリテーション事業所で働く作業療法士の場合
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- 8:30
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出勤、申し送りその日に通所してくる利用者さんの状況などを確認
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- 9:00
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通所してくる利用者さんの出迎え利用者さんと言葉を交わしながら、その日の様子を確認
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- 9:30
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介護職と一緒に体操の指導各利用者さんの動きを確認
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- 10:00
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利用者さんの手芸や工芸の作業のお手伝いワンポイント解説個別のリハビリ計画を思い浮かべながら、作業療法のメニューを見守る
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- 11:30
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午前のみ利用の利用者さんの送り出し作業療法を行った後の疲れや痛みがないかなどを確認
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- 12:00
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昼食、休憩
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- 13:30
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午後から通所する認知症のある人の活動を見守るワンポイント解説かつてしていたことが、認知症になっても引き続き楽しめるように支援する
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- 14:30
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新しい利用者Aさんのリハビリテーション会議に参加
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- 15:30
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利用者Bさんの入浴用具の使い方を確認Bさんが自宅のお風呂に入れるように確認・指導
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- 16:30
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リハビリ記録や計画の作成その日に実施したリハビリの記録をしたり、リハビリ計画を作成したりする
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- 17:30
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その日の利用者さんの様子について管理者に報告意欲が低下しているように見えた利用者Cさんの様子について記録し、直接管理者に報告
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- 18:00
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終業
かつてしていた趣味などを再び楽しめているとき
・写真が趣味で、手指にまひのある人にタブレット上でシャッターが押せるシステムを提案。再び写真がとれるようになった
・認知症のある人に、昔の裁縫道具を用意したら、自分から裁縫を始めた
障がいのある子どもに、ポジティブな変化が見られたとき
・脳性まひの子どもに読み聞かせ。本に興味をもつようになった
・重症心身障がいの子どもが、手指の感覚刺激で表情が豊かになった
利用者さんの「人とのつきあい」が広がったとき
・精神障がいのある人が、作業を通じて仲間ができた
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