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体の栄養状態をよくするための栄養指導・献立づくり
たとえば高齢者の場合、病気があったり、飲み込みの機能が低下したりしている人は、栄養状態が崩れがちです。栄養士は、そうした人に対して、どのような食生活を送ればよいか、意識してとりたい食材は何かといった指導を行ったり、実際にその人に適した献立を作ったりします。
また、噛んだり飲み込んだりしにくい人について、食べやすい食事の形態などを提案することもあります。
もちろん、高齢者の場面にかかわらず、食べたり飲んだりしにくい障がいのある人にはその人の障がいの状態に合わせて、また子どもへの食事についても、子どもの時期にとりたい栄養を考え、献立づくりをしたり、指導をしたりします。
なお、栄養士のうち、特に高い専門知識を学んで国家試験に合格した人を管理栄養士といいます。
栄養状態に配慮が必要な食事を提供する幅広い場所
栄養士は、幅広い職場で活躍しています。福祉の職場でいえば、高齢で持病があったり、飲み込みなどの機能が衰えている人がいる高齢者施設や、病気によって栄養指導が必要な人が多い病院などです。そうした施設が委託して調理や配食を任せる企業で働いていることもあります。
また、社員の健康を考える企業の社員食堂や、生徒の栄養状態に配慮することが必要な学校の給食室などでも、献立づくりや栄養指導を行うことがあります。
さらに、地域には地元の栄養士会が設けている栄養ケアステーションがあります。ここでも栄養士・管理栄養士がいて、地域の人々の求めに応じて栄養指導を行ったり、施設等に派遣されて入所者のための栄養ケア計画を作ったりしています。
特別養護老人ホームで働く管理栄養士の場合
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- 9:00
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出勤、利用者さんの栄養状態の定期確認身長・体重などのデータから、低栄養になっていないかをチェック
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- 10:00
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調理担当者と食事の献立・形態について打ち合わせワンポイント解説配慮が必要な利用者さんの献立や食事の形態を打ち合わせ
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- 11:00
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食事の準備に立ち会いワンポイント解説飲み込みに配慮が必要な利用者さんの食事の形態が、本当に適切に作られているかどうかをチェック
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- 12:00
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利用者さんの食事の様子を見守り利用者さんの食事の進み具合や飲み込みの様子などを確認
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- 13:00
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昼食、休憩
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- 14:00
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利用者さんごとの栄養ケア計画を作成ワンポイント解説今は栄養状態が正常な利用者さんについても、今後の不安があれば作成する
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- 15:00
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低栄養の利用者Aさんをめぐるカンファレンス(打ち合わせ)に参加ワンポイント解説寝たきりで低栄養のAさんは、床ずれが発生する恐れがあるので、事業所内で話し合う
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- 16:00
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短期入所中の利用者Bさんが自宅に戻る前に栄養指導自宅でどのように食事をとればよいか、食事指導を行う
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- 17:00
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口から食べられない利用者Cさんへ、口から食べる訓練少しずつ食べられるように、食事の形態や好みを考えてケア
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- 18:00
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終業 その後自主的に給食事業者の発表会に出席飲み込み困難な人でも食べられる新商品の情報を収集
栄養状態がよくなり、体の状態も改善されたとき
・入院患者さんの栄養が改善して、予定より早く家に戻れた
・施設入所者さんの栄養が改善し、運動機能もよくなった
好きなものが食べ続けられることでとても喜ばれたとき
・飲み込みがしづらくなった人が、献立の改善で食事が進んだ
・糖尿病で好きなものが食べられない人が、献立の工夫で血糖値を気にせず食べられるようになった
地域の人々に、栄養への関心が高まったとき
・老人会で栄養指導をしたら、自宅で実践しているとのお便りがあった
栄養士は養成施設で学ぶこと、管理栄養士は国家試験の合格が必要
⇒国家試験が受けられる
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